約 1,193,541 件
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/609.html
「つかさー。入るぞー」 がらがら。 お姉ちゃんが私の部屋に入ってくる。 「あ、お姉ちゃん」 「明日のお泊り会のことだけど、って、本読んでるの?」 「うん、四月にゆきちゃんからもらったの」 「へー。どんな話?」 「ええとね、まだ最後まで読んでないんだけど、頭がよくて何でも知ってる、なんかゆきちゃんに似た人と、 よくどじをして、天然な、やっぱりどことなくゆきちゃんに似た人の恋愛小説だよ」 「へー」 「あ、それはそうと、お泊り会の話って何?」 「あ、そうそう。寝るときの部屋割なんだけどさ、あれ、私の部屋に私とこなたで、つかさの部屋につかさと みゆきが寝ることにしない? あ、いや、ほら、さすがに4人が同じ部屋に寝ると狭いし、で、でもなんかこなたと みゆきを一緒の部屋にするとなんかこなたがセクハラとかしそうだし、ええと……」 「う、うん、わかったよ。そんなに力説しなくても……」 「そう、それじゃあお休み」 「お休みー」 そっか、明日はお泊り会だし、もう寝たほうがいいかも。そう思って本に栞をはさんで本棚にもどした。 ちなみに、この栞もこの本と一緒にゆきちゃんからもらったんだ。赤い薔薇の押し花で、すごく気に入ってるの。 本棚に本を戻すと、電気を消して、ベットに潜った。 翌朝、お泊り会の当日。 駅前でこなちゃんと会った。 「おーっす」 「おはよう」 「おはよう」 「なんか、つかさは眠そうだよねぇ」 「そういうあんたは今日に限っては眠くなさそうね。いっつもはネトゲのやりすぎとかで眠そうなのに」 「ほんとだ。どうしたの、こなちゃん」 「いやぁ、今晩体力使うからねー。ねえ、かがみ」 「あ、あんた人前でなんてこと言うのよ!」 お姉ちゃん真赤。でもどうして怒ってるんだろう。今の会話で怒るようなとこなかったような気がしたけど。 でもほんとにこなちゃんはいつもと違ってなんか眠くなさそう。どうしたんだろう。 お昼、お姉ちゃんとこなちゃんとゆきちゃんと一緒にお弁当を食べていた。こなちゃんはチョココロネだけど。 「あ、今、ふと思ったんだけどさ、バレンタインのときにチョココロネをあげてもいいのかな?」 「めちゃくちゃ時期はずれな話題だな……。でもいいんじゃない? もらう人が喜べば」 「うんうん」 「そういえば、日本にはバレンタインに男が女にチョコを贈るような風習があるけど、 それの本バージョンってなかったっけ」 「サン・ジョルティの日ですね」 「あ、そうそう、それそれ」 「今はスペインの自治州であるカタルーニャ地方というところに、昔、ドラゴンがいました。 住人はドラゴンの怒りを納めるために、毎日一人ずついけにえを捧げていたんです。 そしてお姫様がいけにえになるときに、あらわれたのが騎士、サン・ジョルティだったわけで、 彼がドラゴンを倒し、お姫様を救い出したとされています。その時の竜の血からは見たこともない 赤いバラが咲いたそうです。それで、四月二十三日をサン・ジョルティの日として、愛する人に美と教養、 愛と知性のシンボルとして、一本の薔薇と一冊の本を贈るそうです。 もっとも、日本ではあまり定着していませんが」 「へえー。やっぱり物知りだね、みゆきさんは」 「いえいえ、そんな」 「……こなた」 「ん、何、かがみ」 「……あーん」 「えぇ! 何かがみ、いきなりデレモードになっちゃって、何か変なものでも食べた!?」 「なによ、いらないならいいわよ!」 「えぇぇ、そんな殺生な」 ぱくっ。こなちゃんはそう言いながらお姉ちゃんが差し出したお弁当を食べた。二人とも、真っ赤です。 「弁当の中身を見る限り、今日はかがみがつくったんだよね。おいしいよ」 「ばっ! 質素で悪かったわね!」 「じゃ、お返しにあーん」 「チョココロネでかよ!」 ぱくっ。そんなことを言いながらお姉ちゃんはこなちゃんのチョココロネを食べた。 突然起こった異常事態に呆然としていると…… 「つかささん……」 「え、何、ゆきちゃん」 「……あーん」 顔を真っ赤にしてゆきちゃんが「あーん」をしてきた。私は、呆然としている頭を何とか再起動させて、 ちょっと迷ったけど、ゆきちゃんのお弁当をぱくっと食べた。 「ゆきちゃんのお弁当、美味しいね」 「そ、そうですか、ありがとうございます」 それにしても、ゆきちゃんまでどうしたんだろう。友達同士で「あーん」ってやるの、はやってるのかな? あっ、そういえば。 「ゆきちゃん、お返しにあーん」 ぱくっ。「あーん」ってしてくれたらやっぱりお返ししなきゃだめだよね。 「幸せです……」 「うん、幸せだよね」 ゆきちゃんが全身を真っ赤にして小声でささやくのを聞いて、私はそう答えた。 ゆきちゃんにもらった本に書いてあったけど、こんな風に友達と過ごすひと時が幸せなんだよね。 ふと、クラスメイトの半分以上が私たちに注目しているのに気づいた。ほかの三人も気づいたみたいで、 この日のお昼は無言のまま食べるということになってしまった。 学校が終わって、柊家。私たち四人はお姉ちゃんの部屋で今日出た宿題をしていた。 「ゆきちゃん、ここがよくわからないんだけど」 「ここですか? ここはですね……」 四人集まって勉強するときはこなちゃんはお姉ちゃんに、私はゆきちゃんに聞くことが最近多い。 宿題が終わった後、みんなでゲームしたんだけど、このときもこの組み合わせだった。 なんか最近この組み合わせが多いなぁ。いやじゃないからいいけど。 夕食は、私が作ることになっていた。 「手伝います」 「ありがとう、ゆきちゃん」 ゆきちゃんが手伝ってくれることになった。ありがとう。 ふと、また私とゆきちゃん、お姉ちゃんとこなちゃんの組み合わせになったなあと思った。 そのことをゆきちゃんに聞いてみることにした。 「そういえば、ここ最近、私とゆきちゃん、お姉ちゃんとこなちゃんの組み合わせが多いよね。なんでだろうねー」 「なんだか最近かがみさんと泉さんが自然に二人になることが多いんですよ。ですから、それの影響じゃないかと」 「ということは、私たちはあまりものってことかぁ」 「うふふ、でも私はつかささんと二人というのはとてもうれしいですよ」 「えへへ、ありがとう」 うん、この組み合わせが多くなってるけど、誰も嫌がってるとかはないみたい。よかった。 「その人がね、おかしいなって思って、ポケットを探ったら、朝捨てたはずの血が付いたロザリオが 入ってたんだって」 「キャーーーーーーーーーーー!!」 こなちゃんによると、「夏の夜は怪談だよ」ってことらしい。今晩のためにいろいろなところから怪談を 集めてきたらしいけど、怖すぎだよ……。あ、もしかして、朝言ってた「今晩体力使う」って、もしかして これのためだったの? だったら別にそんなに気合い入れなくてもよかったのに。 とても怖くて、ずっとゆきちゃんにしがみついてた。お姉ちゃんはずっとこなちゃんにしがみついてたみたい。 自分でも自分の顔が青白くなってるのがわかった。それなのに、ゆきちゃんの顔は、部屋が薄暗いからよく 見えなかったけど、なんだか赤かった。ゆきちゃん怖くないのかな。ゆきちゃんすごいなぁ。 夜。昨日お姉ちゃんと打ち合わせしたとおり、ゆきちゃんは私の部屋で、こなちゃんはお姉ちゃんの部屋で 寝ることになった。 うー、でも、さっき怪談とか聞いてたから、寝れそうにない……。 「ねえ、ゆきちゃん。一人だとさっきの怪談思い出して寝れないから、一緒の布団で寝ていい?」 「え、ええ、かまいませんよ」 私は許可を得て、ゆきちゃんの布団に入った。その後、ゆきちゃんと話をしながら、やっぱり怪談を 思い出しちゃったりして、あまり寝付けなかった。 そんなときだった。声が聞こえた。この前も聞こえた、甲高い声が壁越しに聞こえた。 「ねえ、ゆきちゃん。この声なんだろうね」 私は、内心不安になりながら言った。ゆきちゃんも怖いかもしれないから、声をなるべく普通にして言ったけど。 「え、え、ええと、ええと、お、お化けが何か言ってるんじゃないですか?」 「ひえあっ!!」 反射的に、ゆきちゃんにしがみついた。こ、こわいよう。お化けこわいよう。 「ゆ、ゆきちゃん。こ、このまま、ね、寝てもいい?」 「え、ええ」 もう震えを隠すこともできずに尋ねると、ゆきちゃんは許してくれた。 朝起きると、四人ともとても眠そうだった。 ぼけぼけ遊園地へ続く コメントフォーム 名前 コメント ここまで来て こなかが、みゆき どちらの気持ちにも気づかないとは 極上の天然っぷりだ~☆ つかさの ぼけぼけっぷりに 魅了されっぱなしです -- 名無しさん (2011-04-15 10 20 18) ナイスお泊まりだなあ。つかさがひたすら天然ノンケなのがいい。 -- 名無しさん (2009-12-15 15 42 59) 何度目かに読み返して初めて気付いたんだが、 みゆきは、サンジョルディの日に、つかさに一本の薔薇と一冊の本を贈ったんだなw 作者さんの芸の細かさに敬服。 -- 名無しさん (2008-01-02 18 58 22)
https://w.atwiki.jp/sigure1124/pages/5.html
メニュー こんにちはww ぇっと・・・名前は ぃっぱいぁりますww(は 時雨・癒恵・莢・桜癒・氷稀・黎彗・玖遼・碧 ほかにも色々(ぇ じゃぁ HPの方でよろしくお願いしますw
https://w.atwiki.jp/isekaikouryu/pages/1947.html
“道”とはあらゆるが交わり分かれる場 道を進むということは交流、発見、別れと育成に大きく作用すると 多くの国の教育機関は登下校は“歩く”ことを推奨している ── 春 大延国、多種多様な獣人の子供が賑やかに家路につく町の道。 学舎への登校初日ということもあってその賑やかさもひと回り大きい。 そんな中でとぼとぼと小さな栗鼠人が道の端を歩いている。 山で営んでいた薬膳屋が大きくなったことで町にも店を出すのに合わせて引っ越してきた家族の子である。 そのため、それまでの友達と離れての入学となったのだ。 新しい日々を送る場所で一人ぼっちで周りは自分より大きな人ばかりで話す切っ掛けも出来ずじまい。 慣れない文房具と教書を持っていることも重なり、足取りは見て分かるように危うい。 「あっ」 鞄に提げた小袋から硝子玉が転がり落ちる。 それはお気に入りの遊び道具で、友達が出来たら一緒に遊ぼうと思って持っていたのだが… 転転転 行き交う人の足元を軽やかに転がる硝子玉。それを追う栗鼠人の小走り。 手に取る寸でのところを再び転がるそれはやがて薄暗い路地、建物の狭間の前で止まる。 もう少しと焦って駆け寄ったため足がもつれてこけてしまいそうになる。 「あぶないぞっ」 顔と地面の前に尻尾を差し出し衝突を防いだのは山猫人の子供。同じく入学式帰りの様子。 「にもつをもったまま走ったらダメって今日先生に言われたろっ」 同じ教室の一番前と一番後ろの席で一度も話したこともない同士だったのだが。 転… 転… 尻尾に起こされる先で、風もないのに再び硝子玉が転がりだした。 はっと栗鼠人は持った荷物をその場に放って駆け出す。 「おい!これどうするんだよっ」 山猫人はすぐさま荷物を拾い集めて路地に入った尻尾を追う。 引 引 引 路地裏の闇へと吸い込まれる様に転がり消えていく硝子玉。 気が付けば闇。 あったはずの壁も無く、入ってきたはずの通りの光も見えず。 「ぼくのたからもの…」 「ちょっとまてよ。なんかおかしくないか?」 腕 腕 腕 二人が気付くと同じくし、足元から黒い腕が伸び絡み付いてきた。 「「うわわっ!」」 光っ! 突如上から落ちてきた光躍字が眩く弾けると、絡み付いていた腕がもがき剥がれる。 集暗束闇 集集集 闇の中でもその動きが見て取れたさらに黒い塊が、どんどん膨れて大きくなる。 「なんだおまえっ!」 震える栗鼠人の前に震える足で立つ山猫人だが、次に黒い塊が奈落の底かと思う大きな穴、口を開くとすくんで動けなくなってしまった。 「待つのです! 跳!弾!」 二人の前に少女が降り立つと同時に塊の下で躍字が弾ける。 衝撃で跳ね上がった塊に、これでもかと大きく反り返った太い躍字が体当たり。 思わず塊がもんぞりうって間合いを空けた。 「逃げ出したはぐれ躍字ですね! 兄上達が探している!話しているのをこっそり聞いていたのです!」 「「だれ?!」」 「ここはおねえさんに任せるのです! 光明の剣が斬りさく…さく…あれ?おかしいのです」 特殊な墨を含ませた筆で空に文字を描くも、光は弱まりしなびた沢庵の様にへなへなと地に落ちる。 すかさず塊が獣の如くしなりをつけて勢い凄まじく遠間から三人に飛び掛かる。 「「「わーっ!」」」 「にゃー」 真白の雲の様な煙の様な…ふわふわした巨大な犬の様なもの闇を開いて現れると、ぱくり一口ぺろりと飲み込んだ。 「テンコウ! …どうです!思い知ったかです!」 「にゃー」 みるみる内に暗闇が解け、そこは何処にでもある路地裏へと戻っていく。 「子供が人気のない場所へほいほい入ってはいけないのですよ。気を付けるのです」 「なんだよっ、おなじこどもなのにえらそうにっ」 「た、たすけてくれてありがとう」 おずおずと白い塊を見上げながらお礼を言うと、それに反応したのかくるり宙を舞った後にぱっと消える雲。 「子供は素直が一番なのです。 そっちの素直じゃない方!」 「なっなんだよ!」 「友達を守ろうとしたのは立派なのです。これからも二人仲良くするのですよ」 そう狐人の少女が言うと、少し照れたように鼻頭をかく山猫人。 「あっ、ありがとうよっ!」 うんうんと腕を組んで頷くが、はっと何かに気づいて壁を蹴って屋根の上へと飛び上がった。 「寄り道せずに帰るのですよー」 すぐに見えなくなった尻尾だが、二人はしばらく手を振って送った。 「早く部屋に戻ってジジイが来るまで大延児遊々刊を楽しむのです」 胸に雑誌を抱えた狐人は、嬉しそうに屋根の上を飛んで行く。 「どうですかな?何とかなったでしょう」 見 散 ぱっと鏡が霧散する。 「気が気ではありませんでしたが…」 清閑な狐人の若者が、ほっと安堵の息の後、“無認躍書家暴躍破棄事”と書かれた竹書を閉じる。 「勉学も重要でしょうが、人としての成長も大切なのです。 妹だ妹だと思っていると、気が付かぬ内に並ばれてしまいますぞ?」 老獪な笑みに対し、複雑な微笑で返す。 「まぁしかし、部屋を勝手に抜け出したのには目を瞑りませんが」 「大師殿、お手柔らかにお願いします」 野良躍字とか好き勝手に暴れると確かにやばそう -- (名無しさん) 2014-04-06 20 57 13 子供らしくて和むー。セイランの器の大きさが垣間見えた気がする -- (名無しさん) 2014-04-08 01 13 11 色んなことができる便利な躍字もちゃんと扱わないと危険なんだな -- (とっしー) 2014-04-13 16 49 50 独りでに動く躍字って妖怪みたいだね -- (名無しさん) 2015-04-13 23 31 28 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/1855528/pages/127.html
暴言タイプワード一覧 足りない単語は、コメント欄で教えていただけると嬉しいです 以降汚い言葉が続きますがご了承ください NGワードについては(NG)の表記を入れています。 あ行 あなる、あこぎ、あほ、あく、あくとう、あま いしあたま、いぎょう 社会、いちいち、いんわい、いんじゃ、いんぎんぶれい 感情、いなかもの、いくじなし、いやみ、いのちしらず、いんぽ、いやがらせ 暴力、いらまちお、いんきゃ、いらな、いらない、いんぴ、いいあらそい 社会、いらち、いっぱつや、いいだしっぺ、いれぢえ、いいがかり、いきすぎ、いなかっぺ、いんしつ、いまらちお うまのほね、うりことば、うりことばにかいことば、うんどうおんち、うんこ、うんち、うせろ、うっす、うざい 感情、うじ 虫、うじむし 虫、うよ 社会、うらぎりもの、うすのろ、うれのこり、うまづら、うちべんけい、うわっつら、うすげ、うしろゆび、うるさい 感情、うわきもの、うぐ、うちわねた、うわづみ えろ 暴力、えごいずむ 感情、えこひいき おな、おなにー、おぶつ、おたく、おおぐち、おまえ、おもなが、おーるど か行 かんとんほうけい 人体、かまちょ、かす、かんぷ、かえるのこはかえる、かれいしゅう きじょうい、きらきらねーむ、きやすめ、きれいごと、きぶんや、きちく、きざ、きんたま、きえろ、きもい、きたくぶ、きらわれもの、きちがい(NG)、きかんぼう、きにゅう くそ、くそみそてくにっく 暴力、くそくらえ、くそったれ、くんに、くたばれ、くうり、くるくるぱー、くちさき、くいしんぼう、くず、くちべらし、くそげー、くちゃらー、くずやろう けなし、けんかごし、けしずみ、けだもの 動物 こしゃく 感情、こび、こざいく、ころす(NG) さ行 さいてい 感情、さいあく 感情、さいこぱす しね、しぬ、しな、しんけいしつ 感情、しりめつれつ、しっかく、しばく 暴力、しわ 人体、しっこ、しんで、しりがる すまた 人体、すらむ、すっとんきょう、すけべ、すてごま、すっとこどっこい、すきっぱ せくろす、せくはら 社会 そまつ、そあく た行 たんき、たいそう、たられば、たんそく、たんさいぼう ちび、ちーぎゅう、ちつ 人体、ちみもうりょう、ちんぷ、ちせつ、ちじょ、ちんかす 人体、ちんげ 人体、ちくしょう 動物、ちんこ 暴力、ちしょう、ちろう、ちんき つくりもの、つまんね、つくりばなし、つみつくり、つちぐも てこき、てき とんま、とりあたま な行 なきごと、なかだし 暴力、なまごみ、なきむし、なまいき、なんじゃく、なまけもの 動物 にんげんせい、にわか、にせもの、にもつ ぬすっと、ぬるい ねくら、ねらー、ねこぜ 人体 のんべえ、のうなし、のうてんき、のっぽ 人物、のろ、のろま は行 はげ 人体、はんぱ、はなくそ 人体、はめ 暴力 ひす、ひすてりー、ひゃくがい、ひきょう 感情、ひかげ、ひも ふーる、ふけつ、ふもう、ふりょう へんなやつ 人物、へんたい、へりくつ ほらふき、ほら、ほうけい ま行 まぬけ、まけいぬ、まんぽ、まねごと、ましょう、まがいもの、ませ、ませがき、まざーこんぷれっくす、まぞ、まとはずれ、まだお、まどぎわ、ますかき、まんこ(NG)、まかり みっかぼうず、みずしょうばい 社会、みじゅく、みしょう、みごろし、みみくそ むぼう、むだ、むっつりすけべ、むえき、むさい、むめい、むりげー、むしょく 社会、むのう めくそ、めざとい、めめしい、めんくい、めざわり、めくら(NG) もんきー 動物、もう、もぐり、もらはら や行 やぼ、やくび 時間、やくちゅう、やすもの、やから、やろう、やぶいしゃ 医療、やらせ、やじ 社会、やにかす、やくたたず ゆめものがたり、ゆうがい、ゆあか、ゆうめいぜい よわい、よわき、よわむし、よすてびと、よごれ、よまいごと ら行 らしくない、らんぱつ、らんぼうもの 人物 りょな、りんしょく るーぴー、るーざー れいしすと、れっか、れいけつ、れいさい ろくでなし、ろんぱり、ろうかい、ろうがい 人物、ろりーたこんぷれっくす、ろまんちすと、ろーとる、ろうぜき、ろてい わ行 わきが 人体、わる、わるもの 人物、わるさ、わがまま、わざわい、わすぷ 機械、わすれんぼう、わいざつ、わるぢえ が行 がんこ、がき、がいじ、がんくび ぎぜんしゃ ぐしゃ、ぐのこっちょう、ぐぐれかす、ぐず、ぐさく、ぐれんたい 人物、ぐこう げろ 暴力、げせわ、げどう、げす、げば、げばひょう 社会、げてもの 食べ物 ごみむし 虫、ごみ、ごうご、ごたく、ごろ、ごろつき ざ行 ざこ、ざつ じいしきかじょう、じこちゅうしんてき、じしんかじょう、じじい、じゃま 感情、じじー、じゅくじょ、じこちゅう、じぼうじき 感情、じゃあく、じゃくしゃ ずぶ、ずうずうしい、ずぼら、ずるがしこい、ずたぼろ、ずら 服飾、ずんぐり ぜいたく、ぜいにく ぞうきんがけ、ぞんざい だ行 だら、ださく、だいこんやくしゃ、だめだし、だっちわいふ、だすと でぶ、でっぱ 人体、でくのぼう、でまかせ どぶ、どうるい、どんぶりかんじょう、どかた 人物(NG)、どがいし、どんくさい、どーぷ、どれい 人物、どっちつかず ば行 ばか、ばかやろう、ばーか、ばばあ、ばとう、ばせい、ばちがい、ばじとうふう、ばけもの、ばばぁ びっち、びんぼう、びり、びじれいく、びっこ(NG)、びんぼうがみ 宗教、びょうき ぶさいく、ぶす、ぶんけい、ぶろう、ぶざま、ぶかっこう、ぶれいもの、ぶきよう、ぶーいんぐ、ぶりっこ、ぶっきらぼう、ぶらく(NG) べんとうもち 人物 ぼけ、ぼんくら、ぼろ、ぼぼ 人体、ぼろくそ ぱ行 ぱー、ぱぱらっち、ぱあ、ぱくり、ぱいぱい ぷー、ぷーたろう、ぷあ、ぷりけつ 人体、ぷっしー、ぷりまどんな、ぷぎゃー ぺー、ぺーぺー、ぺにす 人体 ぽえむ 芸術、ぽんこつ 機械 編著:ぴょん このページの最終更新日時は2023年08月06日 (日) 19時34分54秒です コメント 名前 しりがる が抜けていました - かりうむ (2023-08-05 15 21 49) なまけもの 動物が抜けています - はるよし (2023-08-04 23 10 18) 追加しました - ゟ (2023-08-05 00 24 06) いまらちお が抜けていました - かりうむ (2023-06-26 18 05 33) 追加しました - ゟ (2023-06-26 18 08 47) 修正を反映しました。 - ゟ (2023-03-08 19 55 42) いきすぎ、いなかっぺ、いんしつ、うぐ、うちわねた、うわづみ、はなくそ 人体、はめ 暴力、ひも、やくたたず、よまいごと、ばけもの、ばばぁ、びょうき 要削除:うすのろ(2個ある)、じじい(2個ある)、ぶー(ノーマル単体) 訂正:びれいじく→びじれいく 追記・修正は行なっておりません - かりうむ (2023-03-08 19 10 43) 暴言タイプはこれで過不足がなくなったと思われます - かりうむ (2023-03-08 19 12 25) いきすぎ、うわきもの、きかんぼう、きにゅう、くずやろう、しっこ、しんで、すきっぱ、のろ、のろま、まかり、むのう、ろうぜき、ろてい、ころす(NG) 訂正:かんぶ→かんぷ、どかた 人物→どかた 人物(NG) 追記・修正は行なっておりません - かりうむ (2023-03-03 23 18 27) むしょく 社会、ゆうめいぜい、ろーとる、ぐこう、だすと、ばじとうふう、わいざつ、わるぢえ 暴言タイプでない:わいせつ 暴力単体、ださい 感情単体 複合が未記載:わるもの 人物 追記・修正は行なっておりません - かりうむ (2023-02-27 22 28 10) しばくの複合は暴力だよね - 名無しさん (2023-01-30 10 49 23) いいがかり、おおぐち、おまえ、おもなが、おーるど、すっとこどっこい、たんさいぼう、ちしょう、ちろう、ちんき、なきむし、なまいき、なんじゃく、ますかき、ずたぼろ、ずら 服飾、ずんぐり、ぶっきらぼう、ぼろくそ - かりうむ (2023-01-14 16 21 46) なまごみ - 名無しさん (2023-01-06 11 50 57) 追加しました - かりうむ (2023-01-14 16 25 04)
https://w.atwiki.jp/konatazisatu/pages/89.html
こなたのボランティア 季節は春。 とある喫茶店にて、こなたとかがみの二人が居た。 「…え?」 コーヒーを飲みながら、こなたは聞き返す。 「だから…」 かがみは少し照れ臭そうに言う。 「…妊娠、したの」 「そっか…おめでとう!かがみん」 「あ、ありがとう…こなた」 高校を卒業して早4年。 かがみは、京都の大学で付き合い始めた男の人と、1年前に結婚していたのだ。 かがみの主人は、現在大手企業を勤めているらしく、世間一般的に言う大金持ちだった。 結婚式でかがみは両親宛の手紙を読んでいる時、久しく泣き顔を見た。 正直こなたも、もらい泣きしそうになっていた。 でも、かがみも相手もすごく幸せそうだった。 その夜の親友達皆での二次会はとても楽しかった。 すごいなあ、かがみんはもう生涯の相手を見つけたんだな… それに比べて、今の私は大学にも行かなくなってしまった。 つくづく自分が情けなくて仕方がない。 そして、今日久々にかがみと会って改めて現実を痛感した。 大学になったら少しは変われるかなと思っていたが、 ろくに何もしないでネトゲ生活が変わるはずもない。 更生しようと決心したことは多々あった。 だが、実行に移すことができず、 ネットという誘惑に負けてしまうのだ。 毎日のように自分の部屋にとじこもり、 パソコンをつけては鬱に対する気休めのためにネトゲをする。 もう、やる事がそれしかない。 中毒だな…完全に。 実は、こなたは大学でも友達が全く出来ず、 こなたの周りの空気が読めないという性格からも、 あまり学生と馴染めない空気が続いていた。 よく、高校生の時こんな私とあの3人は親友になってくれたと思う。 そして、1年生も終わりという時、 とうとうこなたは家に閉じ篭もるようになり、初めて留年を体験した。 こなたはそんな大学生活にうんざりして、ついに退学してしまったのだ。 また高校生の楽しかった日々に戻りたい。 しかし、大学を中退したことは、かがみ、みゆき、つかさには言っていない。 あの3人に心配をかける訳にはいかない。 あの3人だけが、私の親友と呼べる存在だから。 そして昨日かがみは大学を卒業して、京都から糟日部へ帰って来たという。 相手の実家も、偶然ながら糟日部にあるらしい。 そして、昨日こなたの携帯に明日は会えるかなと、メールをしてきたのだ。 でも、何で今居るのが私だけなんだろう… それを尋ねると、たまたま二人共都合が悪く、 どうやら明日の午後には会えるということらしい。 皆、忙しいんだな… 暇と退屈を持て余しているのは、私だけだったのだ。 それにしても、外の空気は久しぶりだな… かがみと喋っていると、高校生だった頃の事を思い出す。 文化祭のこと、皆で海に行ったこと。 話をすればするほど、そうそうこんなことがあったねと、 走馬灯のように脳裏を駆け巡る思い出に、二人して笑い合える会話が続いていた。 それは楽しかったのだが、内心は会話を重ねる度に鬱になりつつあった。 もう高校生には戻れないのだ、と。 そして、新たな事実。 かがみが妊娠したのだ。 どんな子供かな… きっと、いい子だろうね。 かがみんの子供なんだから、いい子で当然だよね。 こなたは、もう人生を諦めかけていた。 お父さんは、そんなこなたを精一杯慰めてくれてるが、 こなたは耳を貸そうとしない。 私は、ダメ人間だ… 「こなた、最近元気?」 「え、あ…うん。まあ」 「何かあったの?」 「ううん。大丈夫だよかがみん♪」 「そう…何かあるんなら、相談しなさいよ?」 こなたは、無理に笑顔を作った。 最近無表情な生活がずっと続いているせいか、笑顔というものさえ忘れかけていた。 かがみと話していると、時間が短く感じる。 ネトゲの時もだけどね。 かがみは、高校生の時より凄く大人になった。 それは当然なのだが、かがみは化粧をしていて、劇的に美人になっていたのだ。 それに比べて私は化粧の仕方を知らないので、 ファンデーションをあてただけで出てきてしまった。 こんな顔だけど許してね、かがみん… かがみと話している間に時は流れ、もう昼を過ぎていた。 「あ、こなた。そろそろ帰るね」 「え、もう帰っちゃうの?」 「うん。私を待ってる人がいるから…」 「そっか。うん。じゃあね、かがみん」 「バイバイ、また明日ね」 かがみはそうして店を出て行った。 こなたも、その後すぐに店を出た。 家に帰ると、また憂鬱な日々が始まるのだ。 自分の部屋に入り、パソコンをつける。 そうして、一日は終わった。 ちなみに食事は、お父さんが作ってくれている。 お父さんは、私の部屋の前に出来た料理を置き、ドアをノックする。 しかし、お父さんは部屋には入らない。 それが食事の合図だ。 私は人のために何か役に立ちたいと思っていた。 しかし、私はいつも助けてもらってばかりで、何も出来ない自分が情けなかった。 次の日の午後、こなたはつかさ、みゆき、かがみが待っている、 つかさとみゆきの住むアパートへ向かった。 つかさは、現在みゆきと同居しているのだ。 こなたは、久々に会う親友に少し緊張感を覚えた。 出来れば嘘はつきたくない。 でも、皆に心配をかける訳にはいかない。 私の現状をばらさないためにも、演技をしよう。 そして、ドアを開けた。 「やっほー、つかさ、かがみん、みゆきさん。久しぶりだねぇ♪」 「わあ、こなちゃんだ!久しぶり!」 つかさはいつものように可愛らしい笑顔を見せてくれた。 「久しぶりですね、泉さん」 みゆきさんは、高校生の頃から大人な感じだったけど、更に綺麗で美人になっていた。 「おっす!こなた」 かがみんは、私よりも先に到着していたようだ。 しばらく4人は、会話を楽しんでいた。 高校生の頃の思い出が、ひしひしと現実になっているのだ。 今、この部屋は高校生時代にタイムスリップしているのだ。 しかし、つかさの一言によって、現実へと引き戻されることになった。 「みんなは今、何してるの?」 「私は、結婚生活を楽しんでるわ。昨日も二人でカレーライスを食べたしね」 「へぇ、お姉ちゃんたら、羨ましいなぁ。でも、料理はできないけど」 「うるさい!」 「かがみさんも別に下手ではありませんよ?」 「そ、そうよ!別に全部作ってもらってた訳じゃないわよ!」 「へぇ~そうなんだぁ」 「う、うるさい!!」 すると、かがみは顔を赤らめて、言った。 「…実はね、私…妊娠してるの」 「えええ!?本当?お姉ちゃん!おめでとう!!」 「それはおめでたいですね」 「こなたには昨日会った時に言ったのよ。ね、こなた?」 「あ、うん!」 「そういえば、こなちゃんは今何やってるの?」 「うぇっ!?…えーと…」 とうとうこの時が来てしまった。 …言葉が出ない。 どうしたら… 「ア、アルバイトしてるの…」 「へぇ~、こなちゃんもなんだね」 「え?じゃあ、つかさもバイト?」 かがみが聞いた。 「うん。まぁね。生活費はほぼみゆきさんが賄ってくれてるけどね」 「つかさも早くいい仕事見つけなさいよ?」 「う、うん。分かってるよ、お姉ちゃん」 「こなた、あんた何のバイトやってんの?」 「…ぇ…まぁ、色々と…」 「色々?色々とは何ですか?」 「えーと…そうそう!困ってる人の手伝いをするバイト!」 「…」 会話が止まった。 「あ~なるほど。つまりボランティアね。こなたは偉い!」 「自分から進んで周りの人の役に立ちたいなんて、そうそうできることではありませんよ」 「すごいね、こなちゃん!」 「い、いやぁ~アハハ…まぁ、小さい頃からの夢だったもんで…」 何とか誤魔化せたようだ。 よかった…。 しかし、心の奥にある罪悪感だけは振り払うことが出来なかった。 そうして、会話は将来の夢へと進展し、この日のミニ同窓会は終わった。 私は将来の夢については、まだ考え中と言った。 かがみんはいいお嫁さんになる!と照れながら叫んでいた。 やはりデレは可愛いな、かがみんは。 つかさは、真夜中に一人でトイレに行けるようになりたいと言っていた。 やっぱり天然だなつかさは。 そして、みゆきさんは有名会社の社長になりたいと言っていた。 夢が大きいな、みゆきさんは。 家に帰ると、やはりネトゲに走ってしまう。 でも、今日は少しだけ安心した。 やっぱり、皆と居れば楽しいんだな。 そして月日は流れ─ 再び鬱な生活が毎日のように続いているとき、 久々に携帯にメールが入った。 メールはこの前のかがみんの時以来だ。 どうやら、つかさからのメールらしい。 慌てているのか、少々文字が乱れている。 『子供がうまたよ!』 こなたは瞬時に理解した。 そう、かがみの子供が産まれたこと。 この前妊娠したばかりだって言ってたのに…月日は早いものだな。 こなたは、いつの間にか外は雪景色であることに気づいた。 そうか…もう冬か… こなたは、ジャンパーを羽織り、家を出た。 携帯で再確認してみると、かがみは家の近くの産婦人科で出産したらしい。 こなたの家からは10分とかからない程の近さである。 みゆきさんも今、病院へ向かっているらしいのだ。 病院へ着くと、つかさが入り口で待っていた。 「遅いよこなちゃん!早くこっちだよ!」 「うわぁあ」 つかさがこなたの手を引っ張った。 まだ、つかさは出産直後のかがみんと会っていないらしい。 ガラス越しに、つかさは指をさす。 「ほら、あれだよ!奥から2番目の…」 ネームプレートには、柊かがみと書かれてあった。 かがみんの赤ちゃんは、静かに寝息を立てていた。 「本当だ。あの子なんだね…やっぱり可愛いな…」 「お姉ちゃんの子だからね」 「うん」 そして、私とつかさは次にかがみんに会いに行った。 病室に入ると、かがみんはベッドでぐったりしていた。 やっぱり、疲れたんだろうな… しかし、かがみんの主人は険しい表情をしながら病室を出た。 普通なら、泣いて喜ぶはずなのに… 何か、あったのだろうか… 両親は、つかさ曰く出産を見届けた後、先祖の報告のために帰宅したそうだ。 私は、かがみんの近くに居た医者に尋ねてみた。 「あの…かがみさんに、何かあったんですか?」 「言いにくい事ですが…」 医者は、口を開いた。 「実は、かがみさんの容態があまり良くないんです…」 「…と言いますと?」 「このまま昏睡状態に陥って、死に至ることも考えられます…」 「まさか…え…そんな…お姉ちゃんが…!?」 つかさは、言葉を失った。 私も言葉を失った。 他にも医者は何か言っていたような気がするが、よく覚えていない。 かがみんが、死んでしまうなんて。 何で、かがみんが… こなたは一日中考え続けていた。 何で、私じゃないの…? 神様は、どうして私を選ばなかったの…? これは、運命の悪戯なのだろうか。 それを考えていると、夜も眠れなかった。 自分には何かできることはないだろうか。 私は、タダの駄目人間。 今人として生きている価値は、あるのだろうか。 実際に、生きていなければならない人間が運命の悪戯を受け、 悲しい運命を目の当たりにするという… 神様は、時に人に幸福を与え、時に人を悲しみに陥れる。 それが、この世を成立させている鉄則であり、 これから先、それを打開することは不可能であろう。 かがみんは、私の親友の一人。 それと共に、私を精一杯支えてくれている親友より近い存在である。 思えば思うほど可哀想過ぎる。 かがみん…私…どうしたらいいの…? みゆきさんも後から病院に来たが、私が事情を説明するとその場で 泣き出してしまった。 かがみんも、実はこの事を隠していたのだろうか… だっから、お互い様だね。 こなたは、寝床で泣き明かした。 私なんかより、かがみんが生きていないと意味がないんだ… この世には、幸せに生きていくべき人達がいる。 かがみんは純粋な人生の道を歩いているが、私は道を完全に外れてしまっているのだ。 戻れるかどうかも分からない。 かがみんは、昔から身体は強いほうだと思い込んでいた。 しかし私が今日病院から帰るとき、つかさ曰くかがみんは、 京都に滞在しているとき、若い結婚や妊娠という過度のストレスや、 几帳面で真面目で、責任感は強いが周りの目を気にするという性格も重なり、 更に追い討ちをかけるような出産の所為で、 とうとう心臓に疾患を患ってしまったのだという。 つかさは絶望に浸りきっていた。 私が慰めてもただ「うん」と頷くだけで、耳には届いていないようだった。 こなたは、ふと自分の母かなたのことを思い出した。 かなたは、こなたが小さい時には亡くなっていたのだ。 私は、お母さんの温もりを知らない。 お母さんにひざ枕して貰ったり、一緒に買物をしたこともない。 ただ、その代わりにお父さんが人一倍頑張ってくれた。 私は、かがみんを死なせたくない。 ただ、その一心だった。 先生の言葉は、もうかがみは助からないという意味を持っていたのかもしれない。 かがみの子供が目を覚ましたときには、お母さんはこの世にいないのかもしれない。 かがみん…私達に相談してくれれば良かったのに… 思うたびに、私も人のことは言えないと実感する。 私も、大学を中退したことを皆に伝えていない。 しかも、ボランティアをしているという嘘をついた。 …このまま私達が何もできないままかがみんは死んじゃうのかな… 夜は明け… かがみが死んでいないことを願いながら、病院へ向かった。 産婦人科からかがみんは市民病院に搬送されたらしい。 市民病院の入り口のロビーには、つかさが座っていた。 何も食べていないのか、やつれているように見える。 「つかさ、かがみんは?」 「あ、こなちゃん…?うん、お姉ちゃんなら、集中治療室だよ」 「そうか…じゃあ、面会時間が限られているんだね」 「うん。11時からだって…」 「何分くらい会えるの…?」 「うん…10分だって。まずは、お母さんとお父さんが面会するの その次に私だったんだけど、今こなちゃんが来てくれたから、 私とこなちゃんね。 その後、お姉ちゃんの主人が会いに来る予定なの」 「みゆきさんは?」 「ゆきちゃんは、仕事場とか近所の人に、 臓器提供にかかる資金を寄付してくれる人を早急に募ってる。 もうお姉ちゃんの心臓も長くないからって」 「…そっか…」 「ごめんね、こなちゃん。迷惑かけちゃって… 私、お姉ちゃんに臓器提供しようと思ったんだけどね… 私のはあまり丈夫じゃないから、駄目だって…」 つかさは、とうとう涙を流した。 「でもさ、心臓を移植するってことはさ、 その移植した方の人は死んじゃうんだよね?」 「そうだよ。しかも、移植された方も 100%の確率で日常生活に復帰できるとは限らないみたい…」 「そうなんだ…」 そして沈黙の時が続き、いよいよ11時がやってきた。 面会時間はたったの10分らしい。 その時、かがみんのご両親が来たので私は一礼をした。 つかさは、両親に泣き崩れていた。 可哀想なつかさ… 可哀想なかがみん… どうして、こんなことに… 私まで涙が出てきた。 かがみんの両親は、つかさを励まして泣き止ませ、そのまま集中治療室に向かった。 10分というのは、本当にあっという間であり、 もう両親が帰ってきた。 両親曰く、かがみの意識は戻ったらしい。 つかさは両親に、こなたも面会をすると告げ、 二人の了承を得た後、つかさとこなたは集中治療室へ向かった。 私とつかさはガウンを羽織り、靴を履き替え、 そして手を念入りに洗い、病室に入った。 中に入って、私達は唖然とした。 点滴柱から何本もの管がかがみんの腕に挿入されている。 かがみんの口には酸素マスクが施され、 かがみんの呼吸音が明確に聞こえてくる。 それと共に、ベッドの隣にある心電図が弱弱しいかがみの鼓動を 短い電子音で明確に刻んでいる。 かがみんの顔は、少々やつれているように感じた。 あの、活気付いた優しい頼りがいのあるかがみんとは まるで別人のような気がした。 つかさは涙を堪えながら、かがみんに歩み寄って声をかけた。 「お姉ちゃん…私。つかさだよ。こなちゃんも居るよ?ほら」 かがみんは、目を開いた。 私も、かがみんに歩み寄る。 「かがみん…こなただよ」 「……おーっす……こな…た」 かがみんは、か細い声で返事した。 「かがみん……大丈夫?」 かがみんは、ゆっくり頷いてくれた。 私は、かがみんの手を握る。 「かがみん……きっと、大丈夫だよ!」 私には、これくらいしか言うことができない。 本当に情けない。 かがみんは、ゆっくり頷く。 つかさも、かがみんの手を握る。 「お姉ちゃん。がんばってね」 そうしているうちにもう10分経ってしまったので、 私とつかさは、最後に精一杯の笑顔をかがみんに見せた。 かがみんも、泣きながら笑ってくれていた。 病室を出てガウンを脱いでいると、かがみんの主人とすれ違ったので、 礼をしておいた。 主人の手元には花束があった。 「やっぱりショックなんだろうね…」 「かがみんのご主人?」 「うん。だって出産したのに赤ちゃんの顔もはっきり見れないで来たらしいから…」 「…そうなんだ」 こなたは、その後病院から帰ることにした。 そして、こなたは病院から帰るとき、ふと思いついた。 私が、かがみんに臓器提供をすればいいんじゃないか。 どうせ、私のような人間が生きていたって、社会に何の影響もないだろう。 しかし、それには大きな問題点があることもすぐに察知できた。 血液型の問題だ。 臓器提供には、血液型も大いに関係しているのだ。 高校生に入って尋ねてみた時、かがみんは確かB型と答えていた。 しかし、私はA型なのだ。 お父さんもO型で、お母さんもA型なので、私がB型であることはまず有り得ない。 臓器提供は、B型の人間はB型かO型の人間しかできないのだ。 やっぱり、私とかがみんの間には、越えられない壁が存在したのだ。 その夜、どうしてもそのことが気になるので、つかさに電話をかけた。 「もしもし」 「もしもし、あの、つかさ?いきなりで悪いんだけどさ…」 「何?こなちゃん」 「かがみんの血液型を教えてくれないかな…」 「あ、こなちゃんには言ってなかったかな… 実は、臓器移植ために改めてお姉ちゃんの血液型判定をしてもらったの。 そしたらね…お姉ちゃんはAB型だったらしいの」 「え?AB型?」 つかさ曰く、以前B型だという判定が出たのは かがみが産まれた直後に病院で出してもらった血液型らしく、 A型が凝集しにくく判定しづらい亜種であったこともあり、 今までB型と判定されていたらしい。 そして、出産直後からの検査で、AB型という判定が出たのだという。 こういうことは、結構あるらしい。 「分かった。ありがとう、つかさ」 「うん。何かあったの?こなちゃん」 「ううん、何でもないよ!んじゃね!」 こなたは、すぐさまパソコンに向かった。 ネトゲではなく、インターネットで臓器提供についてのサイトを開く。 AB型は、どの血液型の臓器提供も受けられるらしい。 よかった… やっぱり、天はかがみんのことを見放さなかったんだね… ありがとう、神様。 次の日、私は朝早くからランニングを始めた。 もっともっと私の心臓を丈夫にして、かがみんを確実に元気にしないと。 でも、私が臓器提供するってことはかがみんには秘密にしないと… 私には体力があるんだ。 もう、ネトゲなんてやっていられない。 親友を救うため、私はがんばる。 あれ、これってボランティア…かな? あはは、嘘から出た誠だよこりゃ。 こなたは、河原の土手を走る。 人通りが少ないので、とても走りやすかった。 私は今、人のために頑張っているんだ。 そう思うと、余計に元気が湧いてくる。 鬱な自分とは、おさらばだ。 いつの間にか、既に昼の12時を回っていた。 こなたは、病院まで走った。 つかさは、昨日のように病院の入り口に居た。 「今日も会ったの?つかさ」 「当然だよ…こなちゃん。あれ、どうしたの?その汗」 「あぁ、ちょっと走ってきてさ。あはは…」 「そっかぁ…こなちゃんは体力あるもんね。私とは大違いだね」 「私、もっともっと体力をつけたいんだ」 「こなちゃん、急にどうしたの?」 「つかさ!これは真面目な話だから、よく聞いてね」 「…う、うん」 「私が、かがみんに心臓をあげるよ!」 しばらく沈黙状態が続いた。 「な、何言ってるのこなちゃん… そんなの……駄目に決まってるでしょ」 「じゃあ、つかさはかがみんが死んでもいいって思ってるの?」 「…そ、それとこれとは話が違うよ。 だ、第一お姉ちゃんが許してくれないよ… だって…私達は親友なんだよ?」 「つかさ。私は本当にかがみんに 生きていてほしいと思っているから言ってるんだよ」 「うん。分かってるよ…気持ちだけもらっておくよ。ありがとう、こなちゃん」 「つかさ!お願い!お願いだから分かってよ!」 「こなちゃん。よく聞いてね。 心臓移植というのはね、心臓が動いているけど死亡している提供者を募って 行われるんだよ。 だから、別にこなちゃんじゃなくてもいいんだよ…」 「で、でもさ、私はこの通り健康なんだから! 絶対私のを移植したほうが生存率は高くなるよ!」 「それは…そうかもしれないけど… 私はこなちゃんにもお姉ちゃんにも生きていてほしいんだよ!」 つかさは涙を流した。 「つかさ…」 「だから、もうやめてよ。そんなこと言うの…」 「…」 つかさは、病院から出て行ってしまった。 こうなることは分かっていた。 でも…私は、決めたんだ。 絶対にかがみんに提供するって。 これが、唯一私にできることなんだって。 こなたは、その後もトレーニングを続けた。 その夜、つかさから電話がかかってきた。 「もしもし?」 「もしもし、こなちゃん?実は… お姉ちゃんの容態が急変したらしいの」 「えっ…」 つかさによると、もういつかがみんの心臓が停止するか分からない状態らしく、 早急に提供できる人間を探しているのだが、見つからないらしい。 医師曰く、もう諦めたほうがいいと言われたという。 「そんな…」 「こなちゃん。色々心配かけてごめんね。ありがとう…」 「何言ってんのつかさ!私が居るじゃん!」 つかさは黙り込んだ。 「私にかがみんの臓器提供をさせてください!」 「こなちゃん…ダメだってば」 「だってさ、私みたいなネット廃人が生きててもしょうがないでしょ」 「だからこなちゃん…」 「つかさ、実はね。私は大学を中退したんだ…」 「え…?」 そして、私は今まで隠していた事を、全部つかさに話した。 「そうだったんだね……でも…こなちゃん…」 「いい?つかさ。 かがみんにはね、子供が出来たんだよ? あの赤ちゃんのお母さんは、 世界中どこを探したってかがみんしかいないんだよ? 私にはよく分かる。 お母さんが居なかったことの辛さが。 今まで隠してたけどね。 本当は、物心ついた時に一目会いたかった… そんな気持ちにさせたくないよ、かがみんの子供にも。 かがみんにも、あの子供をもっとだっこさせてあげたいんだよ。 せっかく生まれたかがみんの子供なんだから。 分かるよね、つかさ? つかさには将来があるし、みゆきさんにも将来がある。 私の将来…まぁ、あるかもしれないけど、 かがみんより遠い将来なんか考えていない。 それに、今が私の夢を叶えられるチャンスなんだよ。 人のために役に立つ。 それって身近なんだけど、すごく大切なことなんだよ。 だから、もう一度聞くよ?つかさ。 私に、臓器提供をさせてください!」 私は、言いたいことは言った。 もう、全てを言い終えた。 あとはつかさの返答のみ。 「…では…お姉ちゃんを…よろしくお願いします」 こなたには、つかさが電話越しに泣いているのが伝わってきた。 「ありがとう…ひくっ…こなちゃん… そんなに…お姉ちゃんのことを…想ってくれていたんだね…」 「当然だよ、私達は親友じゃん!」 「じゃあ、こなちゃん…本当にありがとう…また明日ね」 「うん!また明日!」 そして電話は切れた。 やっと、つかさは分かってくれた。 そうと決まれば、明日もトレーニングだ! 翌日も、こなたのトレーニングは続いた。 病院に着くと、いつものようにつかさはロビーにいた。 「こなちゃん、今日もトレーニング?」 「うん!出来るだけ丈夫な心臓をかがみんに提供したいからね!」 「こなちゃん…ありがとう!」 つかさは涙を流した。 「つかさ。大丈夫。私は平気だから。かがみんのためだもん」 「でも、やっぱり親友がいなくなるのは…辛いね…」 「大丈夫!私は居なくなるわけじゃないよ!かがみんの中で生きるんだよ!」 「…そう、だね。うん、そうだよね!」 そして、つかさと私は医者に心臓提供について報告した。 医者は、本当にいいのかどうか何度も繰り返したが、 その度に肯定をした。 医者は、私の手をがっしりと掴み、 「本当にありがとう」 と言ってくれた。 このことは、みゆきさんにも伝えた。 みゆきさんにも、何度も止められたが つかさの説得によって涙ながらも納得してくれた。 私が自分の意思で臓器を提供する、 それも人間が生きていくうえで必要不可欠な器官を、 他人に与えようとしている。 それは、自殺に繋がっているということは自覚している。 しかし、かけがえのない親友のために役に立つことには変わりない。 将来、かがみんの子供にもよろしく言っておいてもらおう。 かがみんがこのことを知ったら、どんな顔するかな… ショックを受けないだろうか。 いや、多分大丈夫だよね。 こなたは、明日に迫る手術のため、必死でトレーニングをすることにした。 かがみんには、立派に生きてもらわないと。 そうしないと、私がこうしてがんばっている意味がないもんね。 今日は病院には行かない。 その代わり、今までにやり残したことがないかどうかを確かめる。 そうだ、ネトゲの住民にも伝えておかないと。 私は常連だったんだから。 誰もが冗談だと思うだろう。 しかし、私は嘘なんかついていない。 さようなら、みんな。 私は、トレーニングから帰宅した時、久しぶりにお父さんの顔を見た。 電気の消えた部屋の中で、お父さんは一人ソファに座って俯いていた。 お父さんは、かなりやつれているようだった。 いつもの、エプロン姿で飛んでくるお父さんはもういなかった。 自分が今までお父さんに頼りきりだったことをまざまざと感じさせられた。 私は、本当にこんなに自分を助けてくれた人を残して逝くのか…? 今私がこうして元気になったからこそ、これからはお父さんの為に 孝行していかなければならないんじゃないのか? 罪悪感がこなたの固い意志を蝕んでゆく。 「おぉ、こなたか…おかえり」 そうじろうは、暗闇に呑まれかけている部屋の前で立ち尽くしているこなたに気づいた。 そして、そうじろうが微笑みかけてくれるのが、こなたにははっきりと見えていた。 「お父さん…」 私は、お父さんに抱きついた。 「ごめんね、今まで…」 「こなた…」 とうとう感情を抑えきれなくなり、こなたはお父さんに泣き崩れた。 「本当に、ごべんなさいぃ…っぐ…ぇぐ」 「こなた…お前、いいのか?」 「えっ…」 「これまでずっと部屋に籠りきりだったお前が、 急に外に飛び出して帰って来ないもんだから… 何か予感がしたんだ…」 「全部聞いたんだね…」 「さっき柊さんの両親から電話がかかってきて、教えてもらったよ…」 「お父さん…勝手なことして…ごめんなさい」 私は、許してもらえるわけがないと判っていたが、 お父さんに深々と頭を下げた。 「…本当にそれでいいのか?」 「私、精一杯考えて決めたんだよ」 「考え直すことは…できないか…」 「……ごめん」 部屋の中は、沈黙に包まれた。 「俺は…ずっとお前の意志を大切にしてやりたいと思ってきた… でも、これはお前じゃなくても出来る事じゃないのか…?」 「お父さん、もう時間がないんだよ。 今、一番元気な心臓をかがみんにあげられる私しかいないんだよ」 「こなた…お前の実の父としてひとつだけ言う。行かないでくれ」 「…ごめん……お父さん…私の事、気が済むまで叩いて。 こんな馬鹿な子に、一生懸命尽くしてくれたのに、 それを裏切る様な行為をしてる私を、叩いて…」 そうじろうは、おもむろに立ち上がり… 暗闇に包まれた部屋に、初めて乾いた音が鳴り響いた。 その直後、そうじろうは泣き崩れながらも、頬の腫れたこなたを精一杯抱きしめた。 「こなた…逝かないでくれよ…頼むよ…」 こなたは、ただひたすら謝ることしか出来なかった。 そんな自分に殺意さえ覚えた。 手術は明日の朝行われる。 私の命は、その日でストップする。 そう想うと、無邪気にも涙が溢れ出てくる。 今まで幸せだったよ、みんな。 死ぬのは怖い。 それは誰だって同じ。 かつて国のために戦った神風特攻隊も、 私と同じような気持ちだったに違いない。 私の人生は、明日終わる。 もう、取り返しはつかない。 でも、私は軽はずみで決断したわけではない。 死んだら人間ってどうなるんだろう… 死んだものは、決して帰らない。 だから、死後の世界は今後永遠に不明なままなのだ。 他の何かに生まれ変わるのか、天国か地獄に行くのか… こなたは声を上げて、ひたすらそうじろうの胸の中で泣いていた。 自分の今までやってきた事の愚かさ、実の父に対する残酷な行為を全て吐き出す為に。 かがみん、つかさ、みゆきさん… その夜は、そうじろうと二人で床につくことにした。 私の20年以上の人生を、二人で回顧していた。 時には笑い、時には怒り、時には驚いたり。 明日から私は、かがみんの一部になるんだ。 たとえそれが違法だったとしても、人の命を救うのに法律なんて邪魔なだけ。 そうだよ。 私は明日からかがみんの中で生きるんだよ。 死ぬんじゃない。 新たな生活が始まるんだ。 そう思うと、少しばかり気が楽になった。 翌朝早朝─ そうじろうは、既に家に居なかった。 こなたは、ともかく病院へと歩いた。 自分が決断した処刑場へ。 それと共に、私の生まれ変わる場所へ。 もう未練はなかった。 たとえ残っていたとしても、私のやりたかったことは、 これだったから。 もう私達は、親友以上の存在なんだ。 病院に着くと、つかさとみゆきさん、かがみんの両親、かがみんの主人が待っていた。 私は、一人ずつ握手し、「今までありがとうございました」と告げた。 つかさは、涙を流していた。 もう、この可愛い顔を見ることはできない。 みゆきさんも、涙を流していた。 もう、この綺麗な顔を見ることはできない。 かがみんの両親も、私に精一杯のお礼を言ってくれた。 地球上の感謝の言葉を全て掻き集めても言い表せないくらいの感謝で一杯だ、と。 かがみんの主人も、泣いて喜んでくれていた。 私が神様だと言ってくれた。 …そうだね。これからは皆の神様になるんだね、私。 私は、親友を超越した存在として見送られ、 一番最期にお辞儀をしながら、手術室へと入った。 手術室にはまだ医者が居なかった。 私がごろんと手術台に横たわると、突然手術室の扉が開いた。 「お、お父さん…」 「よかった…まだ間に合ったか」 「どうしたの…?」 「二人で、一枚だけ写真撮らないか? 大丈夫、携帯じゃなくてデジカメだからな…さ、撮るぞ」 そうじろうは、近くの棚にカメラを置き、手術台のこなたの隣で微笑んだ。 私も、最期に精一杯の笑顔を見せた。 フラッシュが焚かれると、医者がぞろぞろと顔を出し、 かがみんを乗せた担架が手術室へ運ばれた。 かがみを担当していた医者が、そうじろうに声をかける。 「こなたさんの、お父様ですか?」 「はい」 「今から、こなたさんの手術を始めますが、よろしいですか?」 「はい、きちんと"娘"を見届けたいので…」 「そうですか…判りました」 こなたの腕に、麻酔が打たれる。 もう少しで、私の意識が途切れるんだ… お父さんの顔がだんだんぼやけていく… 最期に…かがみんと、話がしたかったな… でも、私は今からかがみんと一心同体になるんだ。 それはただの”たとえ”じゃない。 本当に私とかがみんは、一心同体になるんだよ。 みんな、ありがとう、さようなら。 私は、みんなの事を、絶対に…忘れない─ ─手術は、5時間程で終わった。 移植は成功したのだ。 皆は、結果を聞いて涙を流して喜んだ。 数日後、かがみの意識も回復し、普通に話せるようにまでなっていた。 医師曰く、この速さの回復は奇跡だという。 そして、いよいよつかさはかがみに打ち明けることにした。 ”こなた”が、今もなおかがみの中で動いていることを。 かがみは、涙を決して流さなかった。 別に泣くことなんてない。 確かに、こなたは居なくなっちゃったけど、 ”こなた”は、ここに居るんだから。 私の、中に。 かがみの中で鼓動を打ち続けているのだ。 これから先、ずっと。 ずっと。 退院後、リハビリの為に歩いて家に帰ろうとしていたかがみは、 前から歩いてくる見覚えのある顔に足を止めた。 「やあ、退院したのかい?」 微笑みかけてくる彼に、かがみは罪悪感を隠せない。 「この度は…こなたが…本当に…ごめんなさい」 気がついたら、頭を下げて謝っていた。 「いやいや、かがみちゃんが謝ることはないよ。 君が生きていると言う事は、こなたもちゃんと生きているんだし」 「…いつでも、逢いに来て下さい」 かがみは、胸に手を当てて言った。 「ああ、そうさせてもらうよ」 彼は、再び歩き始めた。 「じゃあね、かがみちゃん、こなた」 「さようなら、そうじろうさん」 かがみとそうじろうは、互いに振り返る事もなく、前に歩んで行った。 ─数年後、かがみの子供はもう4歳になった。 今では、幼稚園に通っている。 かがみに似て、活発で元気な女の子らしい。 かがみは、もう退院して普通の日常生活ができるようになっている。 そしてつかさは、今年いよいよ結婚する予定である。 みゆきは既に結婚し、主人との幸せな生活を送っている。 手術費用も、これからずっとかがみとかがみの主人が 払っていくことになるであろう。 でも、それはかがみの命を救うためだったことを考えると、安いものである。 かがみの子供の名前は、もちろんかがみにとって、 そしてかがみんの主人にとって最も尊敬する人間の名前である。 ”こなた” これからも、決して忘れる事はない。 「ねぇねぇ、お母さん、何かお話してよ。このアニメつまんないよ」 「今、洗濯物取り込んでるから、ちょっと待ってね」 「えーやだー、じゃあ夜のアニメ見るー」 夕方の教養番組で流れているテレビアニメに文句をつけているその少女は、 何故か深夜のアニメの方が好きらしく、夜になってもずっと起きてアニメを見ているのだ。 全く、誰に似たんだか。 「全く、こなたは本当にお話聞くのが好きね。 いいわ、聞かせてあげる。今日のはとても素敵なお話なのよ。 寝るんじゃないわよ?」 「寝ないよ、お母さん。早く!」 外で洗濯物を取り込んでいたかがみは、空を仰ぐようにこう言った。 ─それは、世界一神々しく美しい、”こなた”のボランティアのお話… (終)
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1731.html
遭ゆっくり 9KB 虐待-普通 制裁 自業自得 差別・格差 飾り ツガイ 群れ 野良ゆ 赤子・子供 希少種 自然界 都会 現代 虐待人間 うんしー ぺにまむ 感想・批評・ツッコミを頂けると幸いです 遭ゆっくり 遭難 災難に出あうこと。特に山や海等において、自力での帰還が不可能になった状態。 「遭難した…」 男は倒木に腰掛、鬱蒼と生い茂る木々を見上げながら呟いた。 男が後悔と共にその呟きを口に出すことになったのは、軽い気持ちが原因だった。 軽い気持ちで連休に日帰り予定で、山に登った。 軽い気持ちで山頂に続く一本道の登山道を離れ、森に入った。 軽い気持ちで来た為に、地図も磁石も持っていない。今いる場所がどこか分からず、麓もどちらか分からない。 軽い気持ちでの行動の結果は、道に迷って戻れないという深刻な状態を生み出した。 山の中で夜を明かした男は、闇雲に歩を進めていた。 遭難した時には無闇に歩き回らず、体力の消耗を避け、救助を待つべきという知識は男も持っていたが、男には救助が間に合うとは思えなかった。 男が山に来たのは、日々の煩わしさから己を遠ざける為だった。故に携帯電話も持ってきていない。 周囲が男の異常に気付くのは、休みが明けた後だろう。水はまだ残っているが、食料はすでに食べ尽くしていた。 もともと小腹がすいた時の為に持ってきていたものだ。まともな食事は登山道沿いにある店でとる予定だった。 「た、す、け、て、く、れえぇーーーっ!!!」 男はすきっ腹に響く大声で、何度目かも分からぬ助けの求めを叫んだ。 返事は聞こえてこない。 すでに水も尽きた。男は何かの役に、と思い、小便を水筒に溜めてはいたが、飲む踏ん切りはついていない。 疲労も溜まり、体力気力も萎え始めていた。 そんな時、男の目に光が差し込んだ。森が途切れている。 何か見えるかもしれない。変わり映えのしない日々に変化を求める囚人のように、男はそこに飛び込んだ。 広場に出た。野球場とまではいかないが、テニス位なら楽に出来そうな大きさの広場だ。 地面はむき出しではなく、丈の短い草が生えている。向こうには土を堀り返した、畑のようなものが見える。 畑、畑だ。畑を作るような動物はいない。人の手が入ったものがあるのなら、人がいるかもしれない、と男は考えた。 しかし、期待に満ちる男の前に現れたのは、ゆっくりだった。その姿は男が普段、町で見かけるゆっくりとは違っていた。 畑に生えている花を見つめている、緑の髪に飾りを持たないゆっくり。 木の根元で昼寝をしている、赤い髪に飾りを持たないゆっくり。 跳ね回る、目玉のついた帽子をかぶったゆっくりと、それを追いかける、青い髪に尖った氷のような羽を持ったゆっくり。 笑いながらその光景を見ている、金色の髪に赤いリボンを着けたゆっくり。 「じゃお!」 そして、男に声をかけてきた、赤い髪に緑の帽子をかぶったゆっくり。 疲労と期待の反動で足の力が抜けた男は、その場に座り込んだ。 「じゃお?」 目の前のゆっくり-ゆっくりめーりんがどうかしたのか?と言わんばかりに男の顔を覗き込む。 男は力無くめーりんの頭を撫でる。口からは溜息が漏れた。 「どうしたの?」 花を見ていたゆっくり-ゆっくりゆうかがいつの間にか、こちらにやって来ていた。他のゆっくりも男の周りに集まってきている。 男は一縷の望みをかけて、ゆうかにこの近くに人がいないかを問うた。 「そーなんかー」 男の説明の後、ゆっくり達は互いに知らないか聞き合った。 「にんげんさんにあったのはあなたがはじめてよ。ここにひとはいないわ」 だが、男の期待した返事は返ってこなかった。がっくりした男の腹の虫が鳴く。 「おなかがすいているの?」 「ああ、情けないことにな」 「ゆうかたちがたべるようなものは、たべられないわよね?」 ゆうかが今手元にある食べ物を挙げていく。木の実、花、虫、草、木の皮…、料理すれば人でも食べられないことは無いだろうが、生のままで食べられる筈も無い。 「無理だ。腹を壊すのが関の山だな」 どうしたものか、と皆一様に黙り込む。 そんな中、男を励まそうと体を擦り付けていためーりんが、男の目の前に行き、男を見上げる。 「じゃおーん!」 男に向けてにっこりと微笑んだ後、大きくはっきりと声を上げた。 すると、めーりんは体の真ん中から左右に割れていき、真っ二つに分かれた。帽子だけは二つにならず地面に落ちた。 「これは…?」 男がその光景を見て、疑問の声を上げる。 「おたべなさい、よ。ゆうかたちはたべてほしいあいてにこうするの」 「俺に食べろと。なんで?」 「めーりんはやさしいゆっくりだから」 ゆうかの説明を聞き、男はしばしの間、呆然としていたが、やがて、ありがとうと礼を言うと、二つに割れためーりんを頬張った。 男の目から涙がこぼれた。 男は食べ終えた後、残った帽子を手に取る。 「これ、貰ってもいいかい?」 「めーりんはにんげんさんのためにえいえんにゆっくりしたのよ。もっていてあげて」 ゆうかから山と山との境目にある背の高い木の横から、何度も煙が上がるのを見たと聞いた男は、高い木を目印にして進み、登山道に戻ることが出来た。 無事に下山できた男が自分のアパートに戻ると、ドアの前でゆっくりがたむろしていた。 成ゆっくりが2匹、子ゆっくりが4匹、体は薄汚れ、バッチは無い。典型的な野良ゆっくりだ。 「いつまでたってもかえってこないんだぜ!」 ゆっくりまりさが番のれいむと子供達に何か話している。 「何してるんだ?」 死にそうだった時にゆっくりに助けられたのだ。困っているなら助けてやろう、と考えた男はゆっくりに声をかけた。 「ここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするのぜ!」 まりさは男の問いに反射的に答えを返した。 山で遭難したかと思えば、町でこんなゆっくりに出会うとは、災難だな。これもまた遭難か、と男は思った。 「ゆゆ!ぐずのめーりんがいるのぜ!」「ゆ!ぐずはゆっくりできないよ!どっかいってね!」「「どっかいっちぇね!」」 ゆっくりは飾りで個体を識別する。飾りを身に着ければ人間でもゆっくりと認識される。 形見の帽子をかぶっていた男は、まりさ達にめーりんと認識されたのだ。 自分を助けてくれためーりんを馬鹿にされた、と感じた男は目の前のゆっくり達に怒りを覚えた。 美という字は羊と大を合成した文字だ。 羊は生贄、犠牲を表し、美は大いなる犠牲を表すことになる。大いなる犠牲、すなわち自己犠牲であり、めーりんの行いはまさに美しいものと言える。 めーりんの美しさに比べたならば、こいつらのなんと醜悪なことか。男はそんなことを考えながら、喚き散らす親を壁に向かって蹴り飛ばした後、ちびまりさを持ち上げた。 「ゆわーい!おしょらをとんでるみちゃい!」 暢気な声を上げているちびまりさ。 「かわいいれいむのおちびちゃんをかえしてね!」「なにするんだぜ!このぐず!」「「ぐじゅ!」」 「返して欲しけりゃ、俺が良いと言うまでむこうを向いて跳ねていろ。いやなら全員蹴り潰す」 男の威圧に負け、ゆっくり達は嫌々ながら、むこうを向いて跳ね始めた。 それを確認した男は、ちびまりさの帽子を奪う。 ちびまりさは声を上げようとするが、男はその前に上唇と下唇を指で挟んで押し潰し、捻る。口は閉じられた。 ちびまりさは目としーしーの穴から砂糖水を流し、痛みに身を振り回す。男を見つめるちびまりさの目は、許しを乞うように震えていた。 男は上瞼と下瞼を唇と同じように、指で挟んで押し潰し、捻る。目も閉じられた。 しーしーの穴も、まむまむも、あにゃるも同じように指で挟んで押し潰し、捻る。穴はすべて閉じられた。 垂れ流していた砂糖水は流れなくなり、震えていた目も見えなくなる。 続けて、男はちびまりさの髪を引きちぎり、あんよも捻り潰して動けないようにした。 見えず、喋れず、何も出来ない饅頭が完成した。 ただ、体はいまだに震えている。死には程遠く、生きることもあきらめていないようだ。 「お前は今から、あいつらに食べられる。死ぬまでゆっくりしていけよ」 そう、ちびまりさに囁いた後、男は跳ねていたゆっくり達に声をかけ、こちらを向かせた。 「疲れただろう、あまあまをやろう」 「「ゆ!あまあま!」」「「あみゃあみゃ!」」 ゆっくりの目には、饅頭にしか見えないちびまりさが地面に置かれる。 「あまあまはまりさのおくちにはいるんだぜ!」「あまあまさんはゆっくりれいむにたべられてね!」「「たべられちぇね!」」 ちびまりさはこの状態でも、ものを聞くことが出来る。親兄弟に食べられようとしていることが分かるようだ。 やめちぇえぇーっ!まりしゃをたべないぢぇえぇーっ!ちびまりさの餡子の中で響く絶叫も、他のゆっくり達には聞こえない。 「うっめ!めっちゃうめ!」「むーしゃむーしゃ!しあわせーっ!」「「しあわしぇーっ!」」 ちびまりさの願いむなしく、ちびまりさは親と姉妹の腹に収まった。 男はちびれいむを持ち上げ、同じように繰り返し、子ゆっくりを全部、親ゆっくりに食わせた。 「おちびちゃんをゆっくりしないでかえしてね!」「そうだぜ!かえすんだぜ!」 あまあまをすべて食べ終えた後、れいむとまりさは男に子供を返すよう詰め寄った。 「もう返したぞ」 「いないよ!どこにいるの!」「どこにいるんだぜ!」 「そこにいるじゃないか」 「どこ!」「じじいはばかなのぜ!いないことがわからないんだぜ!」 「そこだよ、お前らの腹の中だ」 男は子ゆっくりから奪った飾りを、親ゆっくりの目の前にばら撒いた。 呆然としたまりさの顔面をこそぎ落とすように、男の足が踏み下ろされる。 「ゆぎゃあああぁぁぁーーーっ!!!」 一瞬で顔が無くなったまりさは、絶叫を上げながら地面を転げまわる。 男は道に向かってまりさを蹴り飛ばした。 まりさの皮は破れ、口からは先程食べた餡子を吐き出している。程なく永遠にゆっくりするだろう。 番の悲鳴に我に返り、逃げ出そうとしていたれいむは、男に髪を掴まれ宙に浮いた。 これかられいむは、子ゆっくりと同じようにありとあらゆる穴と、あんよを指で押し潰され、捻り塞がれることになる。 まず、右まぶた。 「ゆぴぃ!」 次に、左まぶた。 「ゆぎゃあ!」 砂糖水を垂れ流すしーしー穴。 「やめてね!もどしてね!」 もう使われることの無いまむまむ。 「れいむのまむまむがあぁーっ!」 中身を吐き出したあにゃる。 「ゆぎぃ!」 何とか逃れようとグネグネと動くあんよ。 「れいむのびきゃくがあぁーっ!」 最後に喧しい口を塞がれる。 「お前らが馬鹿にしためーりんはな、立派な奴だったんだ。お前らみたいなのが馬鹿にして言い奴じゃないんだ」 なにいってるの!めーりんはぐずでしょ!じゃおしかしゃべれないんだよ!ゆっくりしてないんだよ!れいむたちはとってもゆっくりしてたのに! めーりんはゆっくりしてないのに!ゆっくりしてるゆっくりをいじめちゃいけないんだよ!ゆっくりさせなきゃいけないんだよ! 喋ることの出来ないれいむは、餡子の中でいかに自分がめーりんより上か、自分が大切にされるべきか、そして助けられるべきか延々と繰り返している。 だが、男にはそんなものは聞こえない。聞こえたとしても関係ない。男はれいむを蹴り飛ばした番に向かって投げた。 まりさにぶつかったれいむに死ぬ気配はない。あんよが動かないので、転がったまま震えている。 自分が食べた子供と同じように、餡子の中で助けを求めているのだろう。男はそのまま死ぬまで放って置くことにした。 溜飲を下げた男は、後で片付けないとな、と思った後、思考を切り替えた。 遭難した中であのゆっくり達に出会えたのは、本当に良かった。今みたいな連中ならあそこで死ぬところだった。 やっぱり、恩はゆっくりにじゃなくて、あのゆっくり達に返さないとな。 今度は遭難しないように入念に準備をして行こう。ゆっくり達への礼も迷惑にならず、且つ喜ばれるものを調べて持っていこう。 と、男はこれからすることを考えながら、家に入っていった。 書いたもの ・ふたば系ゆっくりいじめ 732 門番ゆっくり ・ふたば系ゆっくりいじめ 741 ゆっくりマンション ・ふたば系ゆっくりいじめ 751 門番ゆっくり めーりんの場合 ・ふたば系ゆっくりいじめ 782 ゆっくりのいるお庭 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る めーりん大好きかコンチクショー! 俺も大好きだコンチクショー!! ※原初の誓いか。最近見なくなったな、こういう本当の意味でゆっくりしたおたべなさい。 -- 2018-02-16 02 31 42 めーりんかっけー -- 2017-01-16 00 34 47 めーりんは優しいんだねー。わかるよー -- 2014-06-03 21 23 54 初対面なのに自分の命を差し出せるとか優しすぎるだろ。 -- 2012-10-06 00 55 29 ゆっくりできたのぜ! -- 2012-07-11 19 25 51 こんなめーりんなら嫁にする! -- 2011-09-28 00 15 58 真の意味でのおたべなさいを見た・・・これこそが原初の誓い -- 2011-08-27 01 03 29 めーりんは優しいゆっくり -- 2010-12-06 04 03 26 じゃお~ん -- 2010-11-28 06 30 55 めーりん最高だっ! ゆっくりできたよー -- 2010-11-11 11 50 49 うっうー! -- 2010-09-07 15 09 25 じゃおじゃお! -- 2010-08-27 21 52 41 むらむらしてるね! -- 2010-08-03 14 25 23 ゆっかりしているわ! -- 2010-06-30 01 54 49 むっきゅりしてるわ! -- 2010-06-29 23 14 30 ゆっくりできたよ! -- 2010-06-16 17 56 21 ゆっくりできるね -- 2010-04-18 21 36 04
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2533.html
『ゆっくりと牛』 1KB パロディ 不運 日常模様 姉妹 子ゆ 自然界 人間なし 微修正再投稿 『ゆっくりと牛』 モトネタ通り 親は一匹のみ 一頭の牛がゆっくりたちの水飲み場にやってきた。牛がドスドスと水の中に入っていく時に、 水を飲みに来ていた ある子ゆっくり姉弟の弟まりさを泥の中へ踏みつけてしまった。 「ゆ?! ちゅぶ・・・ 「ゆ”ぎゃあぁぁ!れいぶの きゃわいぃおとうちょぎゃあああああああ!!!! しばらくして狩りから帰ってきた父まりさは,弟まりさが死んだことを知らされた。 「でぇーーーっかい ばけものさんが、おおっきいあしさんで ふんづけてったんだよ!!」と、姉れいむが言った。 「大きなバケモノって!? けど絶対にゆるせないよ!!! 可愛いいおちびちゃんを踏み潰したバケモノは まりさ様がぷくぅ!!して制っ裁してやるんだぜ!!!」 父まりさは頬を膨らしながら怒りを露わに言った。 「でもおとうさん!ばけものさんは,とってもおおきかったよ! つのさんもはえてたよ!!!」と姉れいむは叫んだ。 父まりさは更に大きく頬をぷくぅっ!と膨らませた。 「どうだ!!!これだけぷくぅすればそのバケモノよりずっと大きいだろ?」 「もっと、ずーーーっと おおきかったよ!」姉れいむが答えた。 父まりさはカチンときて、もう一度大きく思いっきり頬をふくらませ、これくらい大きかったか?と聞いた。 「もっとだよ!!おとうさん もっともっと、もおおおおっとおおきかったよ!」 更に力一杯息を吸い、頬をコレデモか、コレデモかと膨張させた。メキッ 父のプライドを賭け,ゆっくりの限界を超え,父まりさはどんどん膨らんでいった。ピシッ! 「どう・・だ!!ご・れでバゲモノは・・まりざ様に・・・泣いて謝・・・ゆでぶッ!!」ドパ---ンッ!!!! その刹那、頬が破裂,餡子を四方に飛び散らせ父まりさは絶命した。 「ゆ”ぎゃあぁぁ!れいぶの きゃこいぃおとうちゃぎゃあああああああ!!!! 直径30cmの彼が91cmまでぷくぅし、ゆっくりの限界を超えた父まりさの見事な最期だった。 返り餡を浴びた姉れいむは錯乱して巣を飛び出し、そして二度と帰ってこなかった。 ****************************************************************************************** 微修正再投稿。アネモネ。 物語の基本中の基本、イソップ童話からのパクりというか丸ごと置換 被ってそうだけどSSWiki検索やググッた限りでは大丈夫そう?だったので 投稿してみました。 でれあき 挿絵:にとりあき
https://w.atwiki.jp/kyoronosuke/pages/438.html
12月21日 目を覚ますと昨日のイライラは、すっかり消えていた。 その代わり、虚脱感に身体を支配されていたが。 とりあえずベッドに腰掛けて、ぼーっとしたり…… 男「……」 火の点いてない煙草を、指でくるくる回したり…… 男「ペン回しの要領だぜ」 UMAを撮影したり…… 男「こ、これがスカイフィッシュ!」 そんなことをしていた。 昼になると、部屋の外から声が響いてきた。 かなた「男くん?」 男「……あー?」 かなた「入っていいですか?」 男「……あー」 かなた「入りますよ?」 そう言うなり、ぬう、と床下から顔が生えてきた。 男「……ドアから入ってこいよ……」 かなた「……」 男「なんだよ」 かなた「あの……ええっと」 男「……」 かなた「昨日のこと……」 男「言っとくが、前言撤回する気はないぞ」 かなた「……」 男「俺はもう知らん。こなたと別れるつもりも、付き合い続けるつもりもない」 かなた「……」 男「どうでもいい」 かなた「……」 男「このまま放置」 かなた「……」 男「……そうだ。こなただって、冷たくされれば俺のことなんざ諦めるだろ」 かなた「……」 男「そしたら、俺が死んでもあいつは自殺しない。我ながらベストな案だ」 かなた「……」 男「……」 かなた「……男くん」 男「……」 かなた「ちょっ! お説教するつもりはないですから、塩を構えないで下さいよぉ」 男「じゃあなんだ?」 かなた「……お話してもいいですか?」 男「……」 かなた「話を聞いてくれた後なら、いくらでも塩ぶつけていいですから」 男「……」 かなた「……」 男「……勝手にしろよ」 かなた「私は死んでから、あの子のことがずっと心配でした」 男「心配?」 かなた「ええ。確かにこなたは元気な子に育ってくれたけど、ずっと恋人の一人も出来なかったから……」 男「……そういえばあんた、いつ死んだんだ?」 かなた「こなたがまだ幼い頃です」 男「ふーん……」 かなた「そのせいであの子は男の人を好きにならないのかな、って心配してたんです」 男(いや、単に性格の問題だと思うんだが) かなた「こなたが高校に入ってしばらくすると、ある変化がありました」 男「……」 かなた「あの子は一人の男性を好きになったようでした」 男「……俺、か」 かなた「はい。嬉しそうに携帯電話の画像を眺めているあの子の姿を見て、私はほっとしました」 男「……」 かなた「他のことには積極的なあの子が、あなたのこととには臆病で」 男「……」 かなた「本当に好きなんだな、って……嬉しかったです」 男「……」 かなた「出来ればその恋が成功するように、願いました」 男「……」 かなた「でも……」 男「……相手は死ぬ、と」 かなた「……」 男「……」 かなた「……私は、今でも同じことを願っています」 男「……」 かなた「あの子が幸せになれるように、一度でも人と愛し合うことが出来るように」 男「……」 かなた「それと今は、あなたについても同じことを」 男「……俺?」 かなた「あなたが人を愛せるように」 男「余計なお世話だ」 かなた「やっぱり。そう言うと思いました」 男「……」 かなた「短い間ですがあなたと過ごして、こなたがあなたを好きになった気持ちがわかりました」 男「……は?」 かなた「気付いてないかもしれませんが、あなたはとっても優しいですよ?」 男「……」 かなた「一方的な約束を渋々ながらも守ろうとしてくれたり」 男「……」 かなた「よく見ると、いいところはいっぱいです」 男「……下らない」 かなた「ふふ。……だからそんなあなたに、人を愛する喜びを知って欲しいんです」 男「……」 かなた「話はこれだけです」 男「……」 かなた「じゃあ、私は部屋に戻ります」 男「……」 かなたは言うだけ言って出ていった。 俺は部屋に一人取り残される。 ……俺にいいところだって? 男「……アホか、あいつは」 12月22日 かなた「あれ? どこに行くんですか?」 男「どこだっていいだろ」 かなた「あ! もしかして昨日の私の話で気が変わって、こなたに会いに」 男「行くわけないだろ。煙草を買いに行くだけだ」 かなた「またまたぁ。照れなくていいですってばぁ」 男「塩(シ)ッ!」 かなた「あいたーっ! な、なんで塩常備してるんですか!」 男「毎度毎度下らないことを言う亡霊への対策に決まってるだろ」 かなた「うぅ」 男「大体俺は、あんたが昨日語った願いなんかどうでもいい」 かなた「……むー」 男「願いなら、お星様にでもしてろ」 かなた「ひ、ひどいです!……でもそんなこと言いつつ、本当は会いに」 男「塩(シ)ッ!」 かなた「あぁっ!」 男「勝手にそう思ってればいい」 かなた「うぅ。本当に煙草を買いに行くだけなんだ……」 男「だからそう言ってるだろ。じゃあいってきます、狐」 子狐「くぅん……」 かなた「鬼ーっ! 人でなしーっ!」 男「人じゃないのは貴様だろうが……」 むくれるかなたを置いて、俺は歩き出した。 もちろんこなたに会いに行くわけではない。 さっき言ったように、俺は自縛霊の願いなどどうでもいいからだ。 ただ、昨日は何故かやたらと煙草を消費してしまった。 だから煙草を買いに行くのだ。 中毒性とは恐ろしいものだ。 男「お」 確かこの角を曲がったところで買えるはずだ。 男「あ゛」 曲がると、逆さまの自販機が目に入ってきた。 男「わ、忘れてた。ここは駄目だったんだ……」 自分の記憶力の低さを恨みながら、俺はため息をついた。 一昨日パチモンを買ったばかりなのに。 ちなみに怪しげなパチモン煙草「ラッキースター」はまだ家にある。 あんなの怖くて吸えるか。 憎悪を込めて、逆さま自販機を睨む。 男「……ん?」 すると自販機の前に一匹の猫がいることに気付いた。 猫は自販機を見上げている。 俺は好奇心から、そいつに近付いてみた。 猫が俺に気付いた。 そして 猫「ちょっとそこのあんた! なんなのよ、この自販機!」 喋った。 男「猫が喋った!?」 猫「あぁん? 誰が猫よ誰が」 男「お前だ!」 猫「あーはいはい。そういえばそうだったわ」 男「自分が何者か忘れるなよ!」 猫「五月蠅いわね! あたしだって好きでこんな身体になったわけじゃないわよ!」 男「はぁ」 猫「そんなことより何よこの自販機は。人をおちょくってんの?」 男「人じゃないだろ……」 猫「なんか言った?」 男「別に」 猫「あー! もう腹が立つー!」 猫は自販機をガンガン叩き始めた。猫パンチで。 男「で、でも一応買えるじゃねーか」 猫「受け取り口に届かなかったら意味ねーだろがーっ!」 さらにガンガン叩く。猫パンチで。 男「わかったわかった! 俺が取ってやるから!」 俺は暴れる猫を押しとどめ、煙草を取ってやる。 男「ほら」 猫「ったく。ようやく一服出来るわ」 煙草の箱を渡されるなり、猫は前足で器用に封を開けた。 猫「……」 しかし箱の中には、一本の煙草も入っていない。 代わりに、紙切れが入っていた。 俺はそれを盗み見る。 男「ハズレ……」 猫「うがーっ!」 猫は煙草を地面に叩き付けた。 猫「ふー! ふー!」 男「そんなぐしゃぐしゃになるまで踏み付けなくても」 猫「ふざけやがって! ふざけやがって!」 男「……」 猫「あーあ。こんなことなら、やっぱ白石にパシらせるんだったわ」 男「白石? そいつは猫仲間か?」 猫「はんっ。あんな細目が猫になっても萌えないっつーの。やっぱこのあたしのようなスーパーアイドルじゃないと」 男(猫界にも色々あるんだな) みのる「こんなところにいたんですか!」 突然声が聞こえたと思ったら、細目の男性が現われた。 細目の男性は、猫に話し掛ける。 みのる「探しましたよー!」 猫「噂をすればなんとやらね」 男「……」 みのる「どうもすみません、ウチの猫が!」 猫「ちょっと! 誰があんたの猫だって!?」 みのる「もう! 喋る猫なんて普通はいないんですから、自重して下さいよ!」 猫「なんだぁ? 私に指図する気か下っ端」 みのる「そういう問題じゃなくてですね!」 猫「じゃあなんだ!?」 みのる「だからそれはそれで!」 男「……あー。痴話喧嘩中に悪いが、俺はもう行くぞ?」 猫「な、何が痴話よ! 目ぇ腐ってんの!?」 白石「はい。本当に失礼しました。僕らももう帰りますから。ほら、行きますよ」 猫「ちょ、ちょっと! 首の後ろの皮を持つなぁ!」 俺が去るより早く、二人は仲良く(?)ぎゃあぎゃあ騒ぎながら歩いていった。 男「……なんだったんだ」 その後俺はコンビニを訪れ、煙草を買った。 身分証の提示は求められなかった。 ……俺、老けてるのかな? 男「さて……」 家に帰るのは気が引けた。 かなたがプリプリしてるだろうし。 男「やっぱあそこしかないか」 俺は車道沿いにある、景色のいい公園に向かうことにした。 男「うお!」 公園に辿り着くと、そこには先客がいた。 カップルのようだ。 まさかここに人がいるとは思ってなかったため、俺は声をあげてしまった。 カップルが二人同時に振り向く。 男「……」 女の方には見覚えがあった。 長い髪に、カチューシャ……。 男「……峰岸?」 あやの「あ……こ、こんにちは」 峰岸の横にいる男性は「誰?」という顔をして、彼女を見た。 それに気付いた峰岸が、彼に言う。 あやの「あ……えぇっと……同じクラスの……」 そう聞くと、彼氏はにこやかな表現で俺に会釈した。 俺は会釈を返さず、淡々と告げた。 男「邪魔したな」 あやの「あ……ううん。いいよ……」 俺は二人に背を向け、来た道をとぼとぼと引き返した。 煙草に火を点ける。 恋人やら、猫と飼い主やら、今日はなんて日だよ。 そういうのは、もううんざりだった。 人は何故人を求めるのだろう。 かなたが言っていたように、人を愛するというのは、そんなに必要なことなのか? ――わからない。 考え方の違う人間といても煩わしいだけなのに。 あやの「待って!」 考えながら歩いていると、後ろから峰岸の声がした。 何故追いかけてきたのだろう。 「一本ちょうだい」とでも言いに来たのだろうか。 ……それはないか。 即座に自分の考えを否定し、尋ねる。 男「何だよ?」 あやの「はぁ、はぁ……その……」 男「おい。息を整えてから話せよ。聞きにくいだろ」 あやの「あ……はい……はぁはぁ」 峰岸は何度か深呼吸した。 男「落ち着いたか?」 あやの「ありがとう……」 男「で、なんだ?」 あやの「……私、男さんに、謝りたいの」 男「謝る?」 あやの「うん」 男「謝られるようなことはない。早く彼氏のところに帰ってやれ」 あやの「あるの!」 男「ない」 あやの「き、聞いてよー!」 男「嫌だ」 あやの「じゃあ……」 男「……」 あやの「勝手に謝るね。ごめんなさい」 男(……かなたといい、こいつといい、女って奴は……) あやの「あのとき、怖がったりしてごめんなさい」 男「あのときだぁ?」 あやの「男さんが私に話掛けてくれたときだよ」 男「……あー。そんなこともあったな」 あやの「本当にごめんね。男さんのこと噂だけで怖がったりして、迷惑掛けて……」 男「やっぱ謝る必要はないな。実際、俺は怖がられるようなことしてんだから」 指で挟んだ煙草を、ひらひら振ってみせる。 あやの「でも、男さんは、泉ちゃんのことを聞きたかっただけなんでしょ?」 男「……」 あやの「……」 男「な、なんで知ってんだ」 あやの「だって『こな』って言い掛けてたよね? その後すぐに、泉ちゃんを連れていっちゃったし……」 男「……」 あやの「次の日には、二人は付き合ってるみたいだったから……そうだったのかなって……」 男「……貴様はどこぞの名探偵か。手紙の謎を解明したりするのか」 あやの「手紙?」 男「俺、そんなこと言ったか?……まぁいい。深く考えるな」 あやの「う、うん。とにかく男さんは、泉ちゃんに告白したかっただけだったんだよね」 男「……」 あやの「だから、ごめんなさい」 男「……そんなことで謝りに来たのか」 あやの「そんなことじゃないよ! 大切な告白の前だったのに……」 男「わかったわかった。許す。ほら、これでいいだろ? とっとと帰れ」 あやの「……ありがとう、男さん」 男「……」 あやの「やっぱり、本当は優しいんですね」 男「……」 峰岸は礼儀正しく一礼して、俺に背を向けた。 少しずつ彼女の背中が遠ざかる。 男「――おい」 気付いたら、俺は声を掛けてしまっていた。 すぐに聞こえなかったことを祈ったが、あやのは振り返ってしまった。 あやの「はい?」 頭に浮かんだ言葉を、仕方なく口に出す。 男「彼氏といるのは、楽しいか?」 峰岸は驚いていたようだったが、やがて、はにかみながら答えた。 あやの「とっても!」 あやのが行った後も、俺は暫くその場に立ちすくんでいた。 男「お、俺は何故あんなことを」 男「……」 男「か、かなたのせいだ! あいつが昨日、下らない話をするからだ!」 男「……覚えてやがれ、幽霊娘」 男「帰ったら塩のフルコースだ」 男「――ハッ」 男「ま、また独り言を……俺ってやつは……」 うなだれていると突然、車のクラクションが鳴り響いた。 男「うお」 俺は急いで車道脇に移動した。 やってきたのはパトカーだった。 パトカーは俺の目の前で停止した。 窓が開いて、婦警が顔を出す。 婦警「気をつけなよー? 道の真ん中に立ってると危ないよー? 特にこの道は、走り屋とか多いし」 男「あ、すみません」 婦警「おやぁ?」 男「……」 婦警が眼鏡ごしに俺をじっと見る。 煙草を持っているのがバレたのだろうか。 婦警「あなた、男くんじゃない?」 男「は?」 婦警「……うん! 絶対そうだよね!?」 男「……確かに俺は男だけど」 婦警「男なのは見ればわかる! 男くんかどうか聞いてるんだよ!」 男「だから! 俺は男!」 婦警「男なのはわかったってば! それ以上からかうと逮捕しちゃうぞ!」 男「俺の! 名前は! 男だ!」 婦警「あー」 男「……」 婦警「やっぱりそうだよねー! いやぁ偶然だねぇ。おねーさんびっくりだ」 男「あんた……誰だよ?」 ゆい「あや。自己紹介まだだっけ。ごめんごめん。私はこなたの従姉妹のゆいだよー」 男「あいつの従姉妹?」 ゆい「そう。男くんのことは、こなたからよく聞いてるよー」 男「……」 ゆい「ささ。立ち話もなんだし、乗りなさい」 男「え……あんた勤務中じゃ……?」 ゆい「細かいことは気にしない! さぁ乗るんだ!」 男「いや、でも……」 ゆい「むー……あ! あれはなんだ!」 男「え?」 ゆいさんの指差した方向を見た瞬間、カシャンと小気味いい音がした。 それと、手首に違和感。 男「……」 俺は手錠をはめられていた。 男「な、何すんだーっ!」 ゆい「外して欲しければ乗るのだ!」 男「く……卑怯な……!」 ゆい「あっはっは」 男「あんたそれでも警官か!」 ゆい「別にいいんだよー? 警官らしく、奇妙に膨らんだそのポケットの中身を追求しても」 男「なっ!」 ゆい「何が入ってるのかなぁ? なんか身体に悪そうな気配が――」 男「外道……っ!」 ゆい「あは」 ゆい「こなたのどこが好きなのー?」 男「言えません……」 ゆい「照れちゃってー!」 男「……」 パトカーの中で(予想通り)俺は質問攻めされた。 答えるのが難しい質問も幾つかあったが、なんとか誤魔化した。 散々話を聞いて、ゆいさんはようやく満足したようだった。 ゆい「うんうん。ラブラブだねぇ!」 男「……」 ゆい「でも私ときよたかさんには負けるけどねー!」 男「きよたかさん?」 ゆい「えへへ。私の旦那さんだよ」 男「……」 ゆい「ん? どったの? ま、まさかこなたと付き合っておきながら、私のことを!」 男「ありえねー」 ゆい「うぐ。それはそれでなんか悔しい……いいもーん。私にはきよたかさんがいるもーん」 男「……あの……」 ゆい「ん?」 男「……その人といると、どんな感じですか?」 ゆい「すっごく幸せ!」 男「幸せ……」 ゆい「……あー。でもあの人単身赴任してるから、あんまり会えないんだよねー……うー……」 男「じゃあ……嫌になったりしないんですか?」 ゆい「うゆ?」 男「意見や趣味……考え方が合わなくて、疲れたりしないんですか?」 ゆい「しないねー!」 男「何故ですか?」 ゆい「何故って……えーと……」 男「……」 ゆい「そうだなぁ……。合わなかったら、合わせる! これかな!」 男「合わせる?」 ゆい「そういうこと! 基本だよー。人付き合いの基本だよー」 男「……」 そのとき一台の車が凄まじい速度で、俺達のパトカーを追い抜いた。 ゆい「あの野郎……」 男「え」 後のことは思い出したくもない。 男「た、ただいま……」 子狐「くぅ!?」 男「どうした、だって? 聞かないでくれ……」 子狐「こん……」 男「ただ一つ言えるのは、あの暴走車のプライドはペシャンコだってことだ……」 子狐「きゅう」 男「はぁー……」 子狐「ぺろ」 男「お?」 子狐「ぺろぺろ」 男「こら、くすぐったいぞ」 子狐「ぺろぺろ」 男「……気を取り直して、飯でも作るか。腹減ってるだろ?」 子狐「こん!」 男「……あれ? そういえば、自縛霊は?」 かなた「誰が自縛霊ですか!」 かなたの顔が、天井からにょきっと生えてきた。 長い髪が垂れ下がって果てしなく不気味だ。 男「む。まだ怒ってんのか」 かなた「怒ってないです!」 そう言って、かなたは頭を引っ込めた。 男「明らかに怒ってるじゃねーか」 子狐「くぅん」 食事をし終えると、俺はかなたの部屋を訪れた。 いや、正しくはかなたが取り憑いている部屋、か。 ドア越しに 男「おい、かなた」 と声を掛ける。 かなた「なんですか!」 同じように声が返ってきた。 男「入るぞ」 ドアを開け、中に入る。 かなたは足の爪を切っているところだった。 入ってきた俺を見るなり、彼女は真っ赤になって爪切りを投げ捨てた。 かなた「な、なんですか! 不法侵入ですよ!?」 男「貴様に言われたくないわー!」 かなた「む……」 男「大体幽霊の癖に爪なんか伸びるのかよ!」 かなた「伸びませんよ!」 男「なら何を切ってたんだ!?」 かなた「なんでもいいでしょう!? それより、何か用ですか!? 用が無いなら出てって下さい! 塩投げますよ!?」 男「さわれるもんならさわってみろよ!」 かなた「どうせさわれませんよ! 幽霊ですからね! 塩にさわれますように、とお星様に祈るだけです!」 男「……」 かなた「……」 男「はぁ。その話はもういい」 かなた「もういいなら出てって下さい」 男「一つだけ聞いたら出て行く」 かなた「……なんですか?」 男「こなたの家の電話番号、教えてくれ」 かなた「え……」 男「早く。俺、携帯とか持ってないから、困ってるんだよ」 かなた「……」 男「あいつに番号も教えて貰ってないしな」 かなた「わ、わわわ」 男「ん?」 かなた「わかってくれたんですか!?」 男「ぶわっ! ち、近付くな! ひんやりする!」 かなた「ついにこなたを好きになってくれるんですか!?」 男「そうは言ってないだろ! ただ……」 かなた「ただ?」 男「合わせてみようかなってな」 かなた「……」 男「ま、まぁこれもただの気まぐれだ。好きになるかは、その後で決めるんだからな! 勘違いすんなよ!?」 かなた「気まぐれ……ですか……」 男「ああ。最初に気まぐれであんたと約束した。それなら、二回目の気まぐれがあっても変じゃないだろ?」 かなた「……ふふ。そうですね……ぐすっ……」 男「な、何泣いてんだよ!」 かなた「男くん」 男「あ?」 かなた「ありがとう……」 かなたに番号を聞いた俺は、埃をかぶった電話機を前にしていた。 かなた「わくわく」 男「おい、なんで貴様までいるんだ」 かなた「いいじゃないですか」 男「チッ」 受話器をあげ、番号を打ち込む。 男「……」 かなた「……」 1回、2回、3回と、呼び出し音が鳴り続ける。 男「よし。10回鳴っても出なかったら切ろう」 かなた「そんなっ!」 4回、5回、6回…… 男「……」 かなた「お、お願い。出てぇ」 7回、8回、9回……ガチャ。 ?『はい』 男「うおっ」 出たのは、の太い声をした男性だった。 断じてこなたではない。 俺は慌ててかなたに受話器を押し付けた。 かなた「えっ! な、なんで私に!?」 ?『なっ! その声はまさかっ!?』 かなた「あ、わ! そ、そうくん!?」 そうじろう『うわっ! うわっ! うわあーっ!』 ガタガタという音が、伝わって来た。 どうやら向こうの受話器を、床に落としたらしい。 (=ω=.)『もー。何やってんの、おとーさんは』 そうじろう『か、かなたが出た! かなたが出たんだ!』 (=ω=.)『は? そんなわけないって。……よいしょ……もしもーし?』 かなたが黙って俺に受話器を返却してきた。 その目は「なんてことするんですか!」と言っていた。 俺はそれを受け取る。 男「こなたか?」 Σ(=ω=.)『えあっ!? ひ、ひゃああっ!』 またガタガタが聞こえた。 今度はこなたが落としたらしい。 そうじろう『な、な! かなただったろ!?』 (=ω=.;)『違うよ! 違うけど、別の意味でびっくりしたんだよ』 そうじろう『へ?』 (=ω=.;)『とにかく、ここは私に任せて。あっち行って』 そうじろう『でも……』 (=ω=.#)『早く』 そうじろう『うぅ。わかったよ……』 (=ω=.)『……もしもし、男?』 男「そうだ」 (=ω=.)『本当に、男?』 男「俺の名前は男だ」 (=ω=.*)『電話くれたんだね!』 男「ま、まぁそんなとこ」 (=ω=.*)『やったーっ! 嬉しいな、嬉しいな。なんのようかな、かな?』 男「えーと。なんつーか、その……明日会わないか?」 (=ω=.*)『もちろんだよっ! どこで待ち合わせするの?』 男「んー……駅前にある噴水はどうだ?」 (=ω=.*)『オッケー!』 男「それじゃ、また明日な」 (=ω=.*)『うん! おやすみ、男!』 受話器を置く。 かなた「……」 男「……何にやにやしてんだ」 かなた「ふふ。なんでもないですよ?」 男「塩(シ)ッ!」 かなた「いたぁっ!……ふふ……あっ! いたたっ! や、やめっ! いたいですーっ!」 男「ふぁーあ……よし。明日に備えて早く寝るか」 男「……」 男「べ、別に楽しみなわけじゃないけどな」 男「オタ話に合わせるのなんて大変だろうし……」 そのとき、部屋の片隅にあるいくつもの箱が、俺の目に入ってきた。 以前、こなたに押し付けられたエロゲ達だ。 男「……」 男「……」 男「……」 男「……ちょっと、やってみようかな……」 男「うん。話のネタになるかもしれないしな」 男「一本くらい、さわりだけプレイしてみよう」 俺は積まれたエロゲの中から、適当な一本に目をつけた。 恐る恐る手を伸ばす。 指先がエロゲの箱に軽く触れた。 その感触に、俺はビクッと手を引っ込める。 ――馬鹿な。この俺が恐れているだと? 自分を奮い立たせ、箱を鷲掴みにする。 重い……。 これが、エロゲ……。 そのパッケージを舐めるようにじっくり観察する。 男「……Air? エロゲのくせに洒落た名前だ」 PCを起動し、Airのディスクをセットする。 インストールはすぐに完了。 ご、ごくり…… 子狐「こん!」 男「わあああああああああああああああああああああ!」 子狐「くるっ!?」 男「はぁはぁ。な、なんだお前か。驚かすなよ」 子狐「くぅ」 男「……なんだ? まさかエロゲが見たいとか?」 子狐「こん!」 男「じゃ、一緒にやるか」 子狐「こん!」 次へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/597.html
今晩の夕食は魚にしよう。 男はそう思い、釣竿と魚を入れるたもと網を持って川に来ていた。 まだ夏になったばかりだが気温は高く、また魚は人を見つけると隠れてしまうので、木陰に隠れて糸を垂らす。 いっぱい釣れたら里で売ってもいいなと気楽に釣りを始めた。 釣りを始めてしばらくが経った。太陽もだいぶ移動している。 釣果は0。まったくと言って釣れていなかった。 餌が悪いんだろうか、と男はいろいろな餌を試してみたがどれにも魚は食いついてこなかった。 もはやあきらめたように木陰に横になる。川を見ながら時間を潰していると近くの草むらがガサゴソと音をたて、ゆっくりが現れた。 ゆっくりはゆっくりまりさと呼ばれる種類で、大きいのが1匹、中くらいのが2匹、小さいのが1匹。 おそらく家族だろう。男はそう思い暇つぶしもかねて様子を見ていた。 やがて川に到着したゆっくりたちは思い思いに水を飲みだした。 「ゆ~、つめたくておいしいー!」 「ゆっくりのむよ!ゆっくりまってね!」 「ゆっ!ゆっ!」 「みずにおちないようにね!あとあまりのみすぎないでね!」 勢いよく水を飲む子供達に親ゆっくりはやさしく注意をしていく。 親ゆっくりは真っ先に水を飲み、その後は子供達の後ろに回っていた。 子供を置いて先に飲むとは酷い親だと思ったが、どうやら水が安全か確かめたらしい。 今も、後ろに回っているのは子供達が水に落ちないように掴んでいるためだった。 やはりゆっくりと言えども子供は守るんだな。 男は知り合いに平気で見捨てる親ゆっくりの話を聞いていたので親まりさの行動に若干驚いたが、 子供を守る親が普通だと思い直し、ゆっくりの話に耳を傾けた。 「みんなそろそろあつまってね!」 「ゆっくりあつまるよ!みんなおねーちゃんについてきてね!」 「おねーちゃんまってー!」「ゆー!」 親の声に真っ先に反応した一番早く生まれたであろう姉ゆっくりがまだ水を飲んでいる妹ゆっくりと、赤ちゃんゆっくりを連れて親の前に集まる。 「ゆ!おねーちゃんはさすがだね!おかーさんうれしいよ!」 「まりさはおねーちゃんだからね!いもうとたちをたすけるよ!」 「おねーちゃんかっこいー!」「ゆゆー!」 「じゃあかわをわたるほうほうをおしえるからゆっくりきいてね!」 「「ゆっくりきくよ!」」「ゆっ!」 今なんと言った。川を渡るだと!? ゆっくりは泳げない。だから潰す以外にも池や用水路に落として殺す。 水の中に入ったゆっくりは必死に出ようとするが泳げないのでどんどん沈んでいく。 やがて体力のなくなったゆっくりは苦しみながら死に、死体は溶けて飾りだけが浮いてくる。 里で捕まえたゆっくりを一匹一匹潰すのは面倒なので最近はゆっくり用に作った池に放り込んで殺すのが里の人の常識となっていた。 男も今まで捕まえたゆっくりを池に捨てたことがあるのでゆっくりが水に浮かないことも知っていた。 そのゆっくりが川を渡ると言うではないか。 釣りに来ていた川は流れがほとんどないような場所で流れに流されるようなことはないだろう。 しかし深さは1mはあるので一度落ちるとゆっくりでは助からないだろう、池のように沈む前に魚の餌になって消える運命が待っている。 男は親ゆっくりの話を詳しく聞くため、ゆっくり親子に近づいた。まりさ種は警戒心が強いと聞いていたので慎重に物陰に隠れて聞き耳をたてる。 「まずはおかーさんがやってみるからね!しっかりみているんだよ!」 「ゆっくりみてるよ!おかーさんがんばってね!」 親ゆっくりがまず手本を見せるようだ。子供たちは飛び跳ねながら応援している。 すると親ゆっくりは自分の帽子を外した。すると帽子の中から木の棒が出てくる。 「みんなすでつくったきはわすれてないよね?!」 「うん!わすれてないよ!ちゃんともってきたよ!」 そういって子供達も親に習い帽子を外し、中から木の棒を取り出す。 木の棒は片端は細く、葉型が付いているので細い方を咥えて使うのだろう。もう片方は平たくなっておりまるでボートのオールのようであった。 ゆっくりが道具を使うことに驚いたが里で見つけたゆっくりたちは石を投げつけたり穴を畑に張り巡らしたロープを引っ張ったり外したりしていた。 ゆっくりの中で頭のよい方のまりさなら使ってもおかしくないだろう。 男はそう納得し、観察を続ける。 「まずはぼうしをみずにうかべるよ!なかにみずがはいらなようにきをつけてね!」 そう言って帽子の天井部分が底になるように水にいれた。帽子は防水加工しているらしく、水がしみこまずにぷかぷかと浮く。 親は帽子が流れないように木の棒で抑えながら、 「ぼうしがながれちゃうとたいへんだからね!きでしっかりおさえてね!」 「ゆ!わかったよ!ぜったいぼうしをながさないよ!」 「ならみんなもやってみてね!あかちゃんはこっちにきてやってね!」 親ゆっくりの注意を聞いて子供達も帽子を浮かべ始める。赤ちゃんゆっくりはまだ不安と判断したのか親ゆっくりがいっしょに抑えてあげていた。 「うかんだらぼうしにゆっくりのってね!ぴったりとはいるようにのるんだよ!」 「ゆっくりがんばるよー!」「「ゆー!」」 「すきまがあるとみずがはいってあぶないしにおうからね!」 慎重に帽子に乗る親ゆっくり、すっぽり入るとゆっくりの重みで帽子の鍔の部分が浮き上がり、水が入らないようになる。 器用に浮いた親ゆっくりは浮いた生首のようで気持ち悪かった。 「ゆ!ゆゆっ!」 「みずこわいよおおお!」 「おかーさんがささえてあげるからがんばってね!」 「ゆー!できたよ!ゆっくりできた!」 「まりさもできたー!」 水がやはり怖いのかなかなか乗れなかった子供達だが、親ゆっくりの手助けで無事乗れたようだ。 一番手間取った赤ちゃんゆっくりは親が咥えて子供達が押さえる帽子に載せることで浮かぶことができた。 「すごいよ!みずのなかがみえるよ!」 「あ、おさかなさんだー!」 「ゆっゆっゆ~」 「きをつかえばゆっくりいどうできるからね!こうやるんだよ!」 「おかーさんすごーい!」 「まりさもやってみるよ!」 「ゆー!!」 親に教えてもらいながらやがて木のオールで起用に動くゆっくり達 水に浮かんだ状態はゆっくりにはゆっくりしやすい条件のようだった。 男ははしゃぎまわるゆっくりたちを見て、面白いおもちゃだと思った。これはしばらく退屈しないですむなぁと。 急いで寝ていた場所にもどり釣り糸と針を用意する。もどるとゆっくり家族は向こう岸に行っておいしいものを食べようということを話していた。 ゆっくり達が向こう岸に行こうと男に背中を向け漕ぎ出す。その速さは名に違わず非常にゆっくりで追いつくのは簡単だった。 男はゆっくりの後ろから帽子に針を引っ掛けていく。4匹すべてに引っ掛けるとまた岩陰に隠れた。 針には釣り糸が付いており、ゆっくりが向こう岸に進むごとに流れていく糸を男は注意深く持ってゆっくりと遊びだした。 「ゆっくりすすんでいこうね!」 「ゆっくりすすむよー!」「ゆー!」 「むこうにはなにがあるの?」 「おいしいものがいっぱいあるよ!れーむやぱちゅりーはわたれないからわたしたちのものだよ!」 「ありすは?ありすはいないの?」 「ありすもいないよ!だからこわがらなくてもだいじょうぶだよ!」 「ありすいないのならだいじょうぶだね!」「ゆっ!」 「もしありすにおそわれたらこうやってにげるといいよ!ありすはかわをわたれないからね!」 「きははだみはなさずもっていてね!なくしたらいってくれたらまたつくるよ!」 「おかーさんありがと!でもこんどはじぶんでつくりたいな!」 「まりさも、まりさもつくる!」「ゆゆゆ!」 「じゃあこんどはきのつくりかたおしえてあげるよ!」 「「おかーさんありがとー!」」「ゆぅ~!」 「おかーさんなにかへんだよ!むこうまでいけないよ!」 「もうちょっとだよ!がんばってね!」 「もうつかれたー!ゆっくりしたいよ!」「ゆぅぅぅぅ」 「がんばってこげばすぐにつくよ!がんばってね!」 「ぜんぜんすすまないよー!」 親まりさは子供達が口を使い上手く漕げているのでとてもうれしかった。赤ちゃんにはまだ早かったがおねーちゃんが助けてあげているので大丈夫だろう。 早く向こう岸についてみんなでおいしいものを食べよう。向こうにはありすもいないから子供達も元気に跳ね回ることが出来る。 木の棒の作り方も教えないといけない。向こう岸にはいい木がいっぱいあるからもって帰ろう。 親まりさの頭はもう向こう岸について楽しむことでいっぱいだった。しかし、漕げども漕げども向こう岸に着かない。 何回もわたったことがある親まりさはおかしいと思いながらも、子供達と一緒だからと思い、子供達を励ましながら懸命にこいだ。 ゆっくりは水に弱い。 帽子に乗っているうちは安全だけども、帽子から落ちたら助からない。もし波がきたら親も子供もまとめて沈んでしまうだろう。 早く向こう岸に渡りたいと思いながら懸命に漕ぐ。しかしがんばってもがんばっても向こうに着かない。 「どゔじでえ゙え゙え゙え゙え゙え゙!」 「お゙がーじゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!」 とうとう疲れたのか漕ぐのを止めて休憩をしだした。早く陸に上がりたいがもう体力がない。子供達も限界だ。 水の上は怖いが、今はありすもいないのでゆっくり出来るだろう。 ゆっくりたちは離れないように木の棒で支えあいながら眠った。 男はそんな様子を岩に座ってみていた。手には4匹につないだ糸がある。 ゆっくりたちがなかなか向こう岸に付けなかったのはこの男が糸を引っ張っていたせいだ。 男はゆっくりが進む力より少しだけ弱く糸を引いた。引きすぎては気づかれる可能性があるからだ。 男がゆっくりが進む力よりすこし弱い力で引くのでゆっくりは自分が上手く漕げてないから遅く見えるだろうという考えだった。 近すぎると戻られたり、気づかれるかもしれないと思ったので引き始めたのは川の真ん中。 男のおかげでゆっくりたちは川の真ん中の辺りで動きがゆっくりになった。 懸命に漕ぐゆっくりの姿や、なぜ向こう岸につかないのかと騒ぐ子供にそれをなだめる親、一つ一つの行動が面白く時間がたつのを忘れてしまった。 男はまだまだ物足りなく、動かなくなったゆっくりが動き出すのを待つ。 それからしばらく経ったがゆっくりが動き出す気配がない。 気になった男はゆっくりに近い岩に移動する。するとゆっくりたちは寝ているではないか。 これでは楽しめない。俺はまだまだ楽しみたいのに。 男は糸の一つを引き始めた。 「ゆっ?ゆゆゆっ!」 「うるさいよ、ゆっくりできないよ」 「ゆ゙ゔゔゔゔゔ!!」 疲れて寝ていると赤ちゃんゆっくりが騒ぎ出した。姉ゆっくりはまだ寝たりないのか赤ちゃんゆっくりに注意する。 親まりさはその悲鳴に何か危険なものを感じたのか目を覚まし、赤ちゃんを探す。そして、 「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!ま゙り゙ざのあ゙がぢゃん゙ん゙ん゙ん゙!!」 赤ちゃんゆっくりは先ほどまで一番近くにいたのに今はだいぶ離れてしまっていた。いまだ少しずつ離れていく。 親まりさはすぐに理解した。赤ちゃんが流されている。 「まっててね!すぐおいつくからね!」 「「ゆっくりまっててね!」」 先ほどの悲鳴に気づいたのか子供達も後ろから追いかけてきていた。 しかし、つい先ほど覚えたばかりの子供と熟練した親のオール捌きには明確な差があり、子供達はどんどん放されていく。 親ゆっくりは置いていかれる子供達のことも心配だったが、待っていると赤ちゃんが流されてしまう。 赤ちゃんを優先するべきと判断した親まりさは先ほどまでの疲れを見せないオール捌きで赤ちゃんに追いついていった。 親まりさは赤ちゃんゆっくりを追いかけ上流に上っていった。 男は上流に向かって歩いていく。手には糸。赤ちゃんゆっくりが上流に流れていくのはもちろんこの男の仕業である。 赤ちゃんゆっくりの糸と親と子供達の糸を操りながら男は上流に向かっていった。 赤ちゃんゆっくりに親ゆっくりが追いつこうとすると引く力を強める。離れると親ゆっくりは追いつこうとがんばる。 まだ気づかないのか。いい加減上流に行っていることか赤ちゃんが引っ張られていることに気づかないのかと、親ゆっくりを見るがどうやら気づいていない。 子供達などもう口では助けるよなどと話しているが引っ張っているのは男である。 親ゆっくりに声援を送っているが自分達はのんびりと休んでいるのを見て、置いていこうかとも思ったが後々取りに帰るのが面倒なのでしょうがなく引っ張っていた。 子供達の声援によって一時的に早くなる親ゆっくりのこっけいな姿を見ながら、岩に糸を引っ掛けないように注意して山を登っていった。 「「おかーさん!!」」 子ゆっくりの叫び声でところどころにある岩に注意がいっていた男が親ゆっくりをみる。 親ゆっくりは餡子をはきながら息も絶え絶えに「ゆ、ゆっぐりしでいって、ね・・・」といいながら赤ちゃんを追いかけていた。 そんな状態で赤ちゃんを追いかけ続けるのは母親の愛か。とにかくもう潮時だろう。 男はそう思い赤ちゃんゆっくりを引くのを止めた。赤ちゃんゆっくりの動きが止まる。 「あ゙い゙だがっだよ゙お゙お゙お゙お゙お゜お゜!!」 「おがーじゃああん!」 「ゆっ!しゃべれるようになったんだね!おかーさんうれしいよおおお!」 どうやら追いかける親を見て喋れるようになったらしい、よたよたと姉と親ゆっくりに近づく赤ちゃん。 それを子供達と親は幸せそうな顔で見ていた。赤ちゃんが親に擦り寄ろうと少し身を乗り出した。 「よっと」 「ゆっ?」 ぽちゃん。 男が糸を思い切り引っ張ると帽子が親ゆっくりから離れるように動いた。 乗り出していた子供はバランスを取れず川に投げ出される。 その場にいた者には赤ちゃんゆっくりが水に落ちるさまがスローで写った。 「い゙や゜あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」 がこぼこと水の中で暴れる赤ちゃんゆっくり。しかしゆっくりは水に浮かない。暴れても沈んでいくのは避けれなかった。 そこに近づく小さな影。どうやら魚達が水に落ちた餌を食べに行ったのだろう。ここからじゃ見えないが親ゆっくりのすごい顔でどうなっているかは想像できる。 子供達も赤ちゃんを見ようと親と同じように乗り出したところで残りの三本の糸を引いた。 ざっぱーん! 三匹が川に落ちたことを確認すると、男は川岸に歩いていった。 「おじさん、だずげでえ゙え゙え゙え゙え゙!!」 親ゆっくりが自分の帽子に捕まりながら叫んでいた、掴んでいる場所から水が入ってすぐに沈むだろう。 自分の未来を想像して絶望していた矢先に男が長い棒を持ってやってきたのだ。まさに天の助けと思ったのだろう。 せめて自分だけでも助かる気なのか、男はそう思いながら釣竿を川に向けた。 男は魚で満たされた籠を持って里に戻った。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futsu_netradio/pages/700.html
ふつらじマスコットキャラを作ろう! ~発表ページ~ ふつらじマスコットキャラを作ろう!の発表ページです。 たくさんのご応募ありがとうございました~っ!! ※五十音順 ※本企画は投票で1キャラに決める企画ではなく投稿を紹介する企画になりました。 【 キャラクター名 】DJ ダークメタモルフォーゼドラゴン 【 キャラクターについて一言(アピール) 】 さいきょうなので、だれもかてません 【 キャラクター名 】:徳川オセロット 【 キャラクターについて一言(アピール) 】: カッパの姿というのは、人それぞれのイメージで描かれていると思います。ふつらじDJの中でも聴いたことがない人は、放送中のレスやテンプレなどを見て自分の中でイメージをしていることもあると思います。そこから真の姿を見るために放送を聴くリスナー、真の姿を見つけるためにカッパを探す人々。この事が似ていると思いカッパをモデルにしました(もちろん、カッパは私の中のイメージですが)。ちなみに、胴体はキュウリに思われがちですが、バトンなのでお間違いなく。 また私は絵が下手ですが、「絵がダメな人でもふつらじマスコットに勇気を出して応募した=トークが下手だけど勇気を出してふつらじで放送を始めてみよう」という新人DJさんへのきっかけになっていただければ、これほど嬉しいことはございません。(制作者:ふつらじ界の若松勉) 【 キャラクター名 】バトン徒郎 【 キャラクターについて一言(アピール) 】 飽きっぽい性格で、ディアゴスティー二―の週刊シリーズの創刊号だけ色々持っている。最近、レクター博士をかっこいいと思ってしまう厨二な自分にとまどっている。ウィスコンシン州で、電気屋を営んでいる親戚にコンプレックスを抱いている。FMラジオ局に務めるのが夢。体は赤いが、スパイダーマンよりヴェノムの方がかっこいいと強調したがる。ハイスクール時代に無二の親友と女友達を取りあったことが、彼の心にちょっとした傷を残した。 【 キャラクター名 】:ふつらじ君 【 キャラクターについて一言(アピール) 】: 潜在能力ははんぱない。 , -ァ'´ ̄二ニ=-=ニ二 ̄`ヾヽ { { / BL `ヽ } } V∨ ,┐ ,┐ ムヘ/ / り り 、 ヽ ,イ ,イ / ̄`ヽ / ̄`ー-' } li // { `ー'´ __ -‐-∨'´ ̄` ー-イ !} .{ { ト ニ二_ --‐大´ ̄` ‐ブ !}{ { ヽ、___,/  ̄ ̄´ リ よくぞ放送してくれた ヽヽ ||| /′ 褒美としてふつらじで放送する権利をやろう \ .||| / \ 湯切り口 / ☆ /ヽ、--ー、__,-‐´ \─/ / ヽ▼●▼ \ ||ー、. / ヽ、 \ i |。| |/ ヽ (ニ、`ヽ. .l ヽ l |。| | r-、y `ニ ノ \ l | |ー─ |  ̄ l `~ヽ_ノ____ / ̄ ̄ ̄ ̄ヽ-'ヽ--' / ふつらじ /| .| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______ / ̄ふつらじ /|  ̄|__」/_ ふつらじ /| ̄|__,」___ /| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ふつらじ  ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ふつらじ /| / .| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 百合大好き ヽニ=^ヽ ヘ二ニッ .l゛゛! ,,,,,,, ( (´ ,,,....,, ┌、 ` .| | |,,||,,|  ̄Ζユ ,, ,、ヽ`、ェ;、 ヽニ''ニ-ー、ヽ .| l゛,,-ニ,,!-、 .| |  ̄_Ζ_」 { ` r-J }l,_l _,,ノ ノ ,! ゛/゛ `゛l ゛l .| | ,l''ッ . /┌―┐ ´ `'ー''´ -=' - ' ´ ゛‐'` _ノ ," | ゛l、 ,,/丿 |_____」 'lニ二-'" ゛-二ニ-'′ 【 キャラクター名 】ふつらじ戦士ワクテカマソ 【 キャラクターについて一言(アピール) 】: 次DJにワクテカしながら踊ったり、落ち込んだらあれを歌ったりします。 今日もまったり進行なふつらじの平和を守ったり守らなかったり。 初心者さんでもラジオに挑戦だ! ♪ ∧,_∧ だから、次のDJにもwktk ((( ´・ω・`) っつんてんだろー!! __ 〃`ヽ〈_ . . γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽ- ,, 落ち込んだらあれを歌おうぜ! /⌒ ィ ./\ ); `ヽ- ,, / ノ^ 、_| 普 | ._人 | . "- ,, ! ,,,ノ爻\_. \/_ノ_ ))) \, | _ \ヘ、,, _(_と____\_/ ヽ,, |ヽ_/ \)ゝ、__,+、__rノ ̄ \ | ヽ、____つ_)─┬〈 "-., | /. | リ |, | ゝ | (( /"" | レ.| | ミ | レ | |.| リ "- ,, | / ノ.|__| | "- ,, .| | ,, ソ ヽ ) ,,,-ー" | .,ゝ ) イ ヽ ノ ,,,-ー" .| y `レl 〈´ リ ,,,-ー" | / ノ | | / """" l ̄ ̄/ l ̄ ̄| ,,,- 〉 〈 `ー-ー-| |-ー" / | (_ \ (__ノ \___) 【 キャラクター名 】ふらすきー500 【 キャラクターについて一言(アピール) 】 ふつうのねこ。なぞのじんぶつミスターXもいるよ! 500はわんこいんってよむんだって! ぱくりじゃないよ! ( X ) ,.ヘ__ヘ し─J (^ω^U) わんわんお! u,__っ) 【 キャラクター名 】もっちん 【 キャラクターについて一言(アピール) 】 すっごいのびるよ! ._,,(~),,_ / ・ω・ヽ {i i i i i i i i i} 【 キャラクター名 】ひぐま 【 キャラクターについて一言(アピール) 】 聴いて、レスして、放送しよう! みんなダイスキふつらじを、 一匹のわんこで表現してみました。 下記投票結果により名前が決定しました!! ひぐま 35 (43%) ふつらべろす 23 (28%) スラッシャー板尾 6 (7%) 犬書きたかっただけだ朗 6 (7%) トライくん 3 (4%) 名犬フツラッジー 3 (4%) きょうのわんこ 2 (2%) 庶犬三(しょけんさん) 2 (2%) ふさとりお 1 (1%) パトラッシュ^^ 1 (1%) 投票総数 82 ※3/31以降の投票は無効になっています。 ⊂ミ⊃^ω^ )⊃ アウアウ!! な番外編 【 キャラクター名 】ふつわん 【 キャラクターについて一言(アピール) 】 犬です。中に人はいます。 【 キャラクター名 】:ハルちゃん 【 キャラクターについて一言(アピール) 】: かわいくかけました